早稲田大学ラグビー蹴球部

天然芝の上井草グラウンドには、公式戦のグラウンドを意識した高さ14メートルのゴールポストがある

天然芝の上井草グラウンドには、公式戦のグラウンドを意識した高さ14メートルのゴールポストがある

大学ラグビー最多優勝を誇る名門ラグビー部

上井草駅から徒歩約2分、区立上井草スポーツセンターの北側に、早稲田大学ラグビー蹴球部(しゅうきゅうぶ)(以下、早大ラグビー部)が使用する上井草グラウンドが広がっている。「ここのような天然芝のグラウンドは他大学のラグビー部にはありません。使いやすく、けがもしにくく、本当に良い環境で練習ができます」と、相良南海夫(さがらなみお)監督は言う。
早大ラグビー部が、西東京市東伏見からグラウンドを上井草に移したのは、2002(平成14)年。東伏見グラウンドの一部が河川工事で使えなくなったため、当時の部長だった佐藤英善さんらが移転先を探したそうだ。『早稲田ラグビー史の研究-全記録の復元と考察』には、上井草グラウンドを視察した時の様子が、「一目ぼれをしたときのように電気が走るのを感じた。寮も移転できるし、グラウンドが一面半芝にでき、体育館も使用できる、こんな願ってもない条件をそなえていた」と書かれている。
早大ラグビー部は、全国大学ラグビーフットボール選手権大会(以下、大学選手権)で優勝15回という最多記録を誇る。そのうちの5回は上井草移転後の勝利である。

1918(大正7)年11月7日創部。100年以上の歴史を持つ(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

1918(大正7)年11月7日創部。100年以上の歴史を持つ(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

グラウンドのポールに掛けられた鉄笛。練習開始時に主将が吹く伝統が受け継がれている

グラウンドのポールに掛けられた鉄笛。練習開始時に主将が吹く伝統が受け継がれている

相良南海夫監督。1991(平成3)年度の主将で、当時は部員が150人以上おり部内の競争が今よりも激しかったと話す

相良南海夫監督。1991(平成3)年度の主将で、当時は部員が150人以上おり部内の競争が今よりも激しかったと話す

上井草グラウンドで大学日本一を目指す

施設には、天然芝グラウンドのほか、人工芝サブグラウンド、スクラム練習場、トレーニングルームがあり、毎週火~日曜日に練習が行われている。ラグビー好きの地域の人たちがフェンス越しに練習を見に来ることもあり、励みになっているそうだ。
グラウンドのそばには、約40人の強化指定選手が暮らす寮も完備。2019(令和元)年度の主将、齋藤直人さんも入寮しており、毎朝5時半に起きてウエイトトレーニングをし、寮生全員で朝食を取る生活をしている。「寮の部屋は学年に関係なく同室で、コミュニケーションをとることに役立っています。チームにも上下関係が無く、練習がきつくても誰かが盛り上げようとし、試合中は下級生を含む全員が積極的に声を出しています」と齋藤さん。相良監督も選手の主体性を重視しており、「自分がどうなりたいのか、どうしたら強くなれるのか、自主自立の精神で行動、実践して欲しい。主役は選手たちです」と語る。
2008(平成20)年度以来、大学選手権の優勝からは遠ざかっているが、再び日本一に輝き「荒ぶる(※1)」を歌えるよう、約130人の部員が上井草グラウンドで日々、汗を流している。

※1 荒ぶる:早大ラグビー部の第二部歌。大学選手権に優勝した時にだけ歌える特別な歌

赤黒のジャージに憧れて入部する選手も多い(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

赤黒のジャージに憧れて入部する選手も多い(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

齋藤直人主将。高校、U20、ジュニア・ジャパンと各世代の代表に選ばれ、ラグビー日本代表入りを目指している

齋藤直人主将。高校、U20、ジュニア・ジャパンと各世代の代表に選ばれ、ラグビー日本代表入りを目指している

暗くなった後も照明をつけて練習は続く

暗くなった後も照明をつけて練習は続く

早大ラグビー部と地域との交流

早大ラグビー部は毎年7月に、上井草グラウンドで地域の人々との交流イベント「北風祭」を開催している。一緒にラグビー体験をしたり、地元商店街の出店があったり、子供から大人まで楽しめる恒例の行事だ。
また、部員たちは昼食や夕食に、上井草駅近くにある「レストランAOYAGI」など地元の店をよく利用しているという。上井草商店街も早大ラグビー部を応援しており、大学選手権で日本一になった年には祝賀会や優勝パレードを開催し、勝利を祝っている。相良監督は「商店街の方から、そろそろパレードをしたいと励ましをいただいています。地元の期待に応えるためにも努力したい」と笑顔で語ってくれた。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 食>レストランAOYAGI

「北風祭」のラグビー体験は子供たちに人気

「北風祭」のラグビー体験は子供たちに人気

2008(平成20)年1月に上井草商店街で開催された優勝パレード(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

2008(平成20)年1月に上井草商店街で開催された優勝パレード(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

World University Rugby Invitation Tournament 2019

2019(令和元)年9月に、早稲田大学がホストとなり、イギリスのオックスフォード大学など7カ国の大学ラグビー部を招く国際交流戦「World University Rugby Invitation Tournament 2019」が行われる。上井草グラウンドも会場の1つで、熱いプレーを無料で観戦することが可能だ(※2)。

※2 大会日程は以下ホームページを参照
World University Rugby Invitation Tournament 2019(外部リンク)

普段練習に使われている上井草グラウンドが、国際交流戦の舞台になる

普段練習に使われている上井草グラウンドが、国際交流戦の舞台になる

DATA

  • 住所:杉並区上井草3-35-21
  • 最寄駅: 上井草(西武新宿線) 
  • 公式ホームページ:https://www.wasedarugby.com/
  • 出典・参考文献:

    『早稲田ラグビー史の研究-全記録の復元と考察』日比野弘(早稲田大学出版部)

  • 取材:西永福丸
  • 撮影:syaeidou、西永福丸
    写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部
  • 掲載日:2019年08月13日