麺処 源玄
「特製塩SOBA」（1,130円）。あさり、かき、ほたてなど５種類の貝でとった濃厚なだしの香りが際立つ。細麺にマッチした選び抜かれた塩の味、盛りだくさんの具材で満足度は高い
化学調味料を使わない奥深いラーメン
2020（令和２）年２月、阿佐ケ谷駅近くに開店した麺処 源玄（めんどころ げんげん）。店主の伊東さんは自らを「食材マニア」と評し、「“これを試したラーメン屋さんは初めて”といわれるようなスパイスにも挑戦したくなるんです」と笑顔を見せる。メインの「醬油SOBA」には、イタリアンの食材であるポルチーニ茸（たけ）を黒いソース状にアレンジしてトッピング。「悩みながらの開発でしたが、うまく醬油味にマッチし、味変を楽しんでいただけるのが無化調なのです」
醬油SOBA／830円／麺130g。無化調を感じさせない奥深いスープに細麺がよく合う
家族への思いから完成した醤油味
音楽とラーメンが大好きな伊東さんは、元々ラーメン店に勤務しながらミュージシャンを目指していたが、第一子の誕生を機にラーメン業一本に絞った。「開業準備中に息子がアトピー性皮膚炎と分かったため、健康に配慮し、化学調味料を使わないラーメン作りを目指しました。全国から醬油やだしの材料を取り寄せ、日々楽しみながら研究しました」。最終的には、甘露醬油を含む５種の醬油をブレンドしたかえし（※）と、ブランド鶏３種、本節、しいたけ、野菜をふんだんに使ったスープに決定。開業後にさらに改良を重ね、現在の醬油味に定まった。「ラーメンは熱々で提供してもどうしても冷めてしまいますが、そんな時に無化調の威力が発揮されます。冷め始めてもだしの複雑な味わいを強く感じていただけます」
どんぶり形状による保温状態の違いが味に大きく影響すると考え、醬油味と塩味で器を変え、だしの風味をよりよく感じてもらえる工夫をしている
トッピングの味玉。澄んだ清流域で育成された奥津軽の鶏卵を利用している。黄身が生に近い状態なのが特徴
阿佐谷のラーメン店主との交流が楽しい
ワンオペレーションのラーメン専門店だが、伊東さんは空いた時間を見つけては地元のラーメン店に出掛け、店主同士の情報交換や交流も楽しんでいる。「狭いラーメン店に、気付くと何人もラーメン店主がいることもありますよ。同じ阿佐谷でがんばるラーメン店同士、ライバルでもあるけど切磋琢磨（せっさたくま）していきたいですよね」と屈託がない。
ワンオペレーションでスムーズな料理提供を実現できるようプランされた厨房（ちゅうぼう）
店舗情報
【こだわり】無化調でいきます。
・他のラーメン：「塩SOBA」「季節限定ラーメン」など
・メニュー：たきこみごはん、奥津軽プレミアム卵TKG、チャーシューごはん、瓶ビール／トッピング：味玉、九条ネギ
・ラーメン専門店
・カウンター４席、テーブル２席
・子供可
・2020（令和２）年２月開業
※かえし：醬油などのメインとなる味を凝縮したタレ。スープで割って使う
季節限定メニューとして、まれに鯛（たい）だしの「塩SOBA」を提供している。「オプションで鯛茶漬けをラインナップすることもあります。レアメニューもお楽しみください」
阿佐ケ谷駅から徒歩約１分の好立地
DATA
- 住所：杉並区阿佐谷南2-17-3
- 電話：03-3313-0328
- 最寄駅： 阿佐ケ谷（JR中央線/総武線）
- 営業時間：11:30-15:00
- 休業：木曜
- 補足：営業時間中は電話対応できない場合があります
- 公式ホームページ（外部リンク）：https://twitter.com/mendokorogengen
- 取材：高円寺かよ子
- 撮影：高円寺かよ子
取材日：2021年12月22日 - 掲載日：2022年01月31日
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