JR阿佐ケ谷駅南口から川端通り商店街を100メートルほど行くと、小さな「つり堀」の看板が一枚。きれいに手入れされた生け垣を割って入ると突然目の前が開け水面が広がる。
このつり堀、実はとても古く関東大震災を機に大正13年、東中野の日本閣から阿佐谷に移転してきた創業90年を超える老舗でもある。現在は3代目の鈴木典明さんが経営、金魚釣り、鯉釣りが楽しめる。手ぶらで来ても、すぐに楽しめるよう料金には貸し竿、餌もセットされている(1時間600円)。
「休日になると親子四代の常連さんもいますよ。」と鈴木さん。
マンションに囲まれて木立等はないが、中央線の電車の往来が視界に入り、ふと見上げる空の広さにほっとする。一心につり糸を垂れ浮きを見つめていると、しばし都会の喧噪を忘れさせてくれる貴重な空間だ。
2019(令和元)年にテレビ「ドキュメント72時間」で紹介されたり、「マンガ大賞2022」第3位を受賞した『ひらやすみ』の舞台のモデルになったり、メディアの注目度も高い。