日本一の富士山とドリンク!「忍野村」取材日記

天然記念物である「忍野八海」の涌池(わくいけ)。「水がきれいで、まるで池の中に空があるみたい~!」

天然記念物である「忍野八海」の涌池(わくいけ)。「水がきれいで、まるで池の中に空があるみたい~!」

教えて!交流自治体・忍野村

「杉並から電車で約2時間、山梨県に着いたよ~。区民ライターさんと交流自治体・忍野村(おしのむら)を取材するんだ」
JR中央線とJR・富士急行直通特急「富士回遊」を乗り継いで、富士山駅に到着したなみすけ。区民ライターの車で忍野村役場に行くと、今回の案内役、忍野村役場企画課の米山さんと後藤さんが出迎えてくれた。
「こんにちは~!実はぼく、すごく知りたいことがあって…」

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並の交流自治体>忍野村(山梨県)
杉並区>忍野村(外部リンク)
忍野村(外部リンク)

富士山と澄んだ湧水が魅力の忍野村

富士山と澄んだ湧水が魅力の忍野村

不思議な飲み物との出合い

忍野村お散歩前の2022(令和4)年6月6日、なみすけは区役所2階の区民ギャラリーで「山梨県忍野村写真展」を楽しんだあと、1階のコミュかるショップで珍しい飲み物を見つけた。
「湧水育ちの乳酸菌で作った “とうもろこしドリンク”だって。忍野村の特産品なんだね」
試しに買ってみると、今までに飲んだことがない不思議な味がした。
「うわー!すっぱくて、甘くて、トウモロコシの香りがフワッとするよ~!」

新感覚の飲料「とうもろこしドリンク」

新感覚の飲料「とうもろこしドリンク」

二十曲峠から富士山と村を見物

どうしてこの飲み物が誕生したのか知りたいと言うなみすけに、米山さんが「それならば忍野村のことを知っていただくのが一番です。まずは村を一望できる二十曲峠(にじゅうまがりとうげ)に行ってみましょう」と勧めてくれた。
「二十曲」という名前のとおり、林道を車でくねくね曲がりながら上って行くと、見晴らしの良い高台に到着。
「ちょっと曇ってるけど、富士山が目の前に見えるよ~!緑豊かな村も、とってもいい眺め」
美しい自然に囲まれた忍野村は観光地として有名だ。現在、この高台には新たに展望テラスを建設中で、2022(令和4)年8月頃に完成予定だという。オープンしたら、さらに人気の景観スポットになりそうだ。

午前中のほうが順光で富士山の良い写真が撮れるとのこと。この日は曇りで残念

午前中のほうが順光で富士山の良い写真が撮れるとのこと。この日は曇りで残念

「二十曲峠展望テラス」のイメージパース(写真提供:忍野村)

「二十曲峠展望テラス」のイメージパース(写真提供:忍野村)

車で移動中、後藤さんが「トウモロコシ畑がありますよ。降りて見てみますか?」と誘ってくれた。
「わぁ~、広い畑ですくすく育ってるね~」
忍野村は日中と夜間の寒暖差が大きく、そのおかげでトウモロコシが糖度15度と、まるでフルーツのように甘く育つそうだ。「例年8月に杉並区役所で開催される忍野村物産展にも、新鮮なトウモロコシが並ぶので、ぜひ味わってみてください」

▼関連情報
杉並区>交流自治体の実施イベント(外部リンク)

富士山を背景にとうもろこし畑が広がる

富士山を背景にとうもろこし畑が広がる

富士学園の猿時計

次は、杉並区と忍野村との交流のきっかけとなった施設「富士学園」を見学させてもらった。1964(昭和39)年に区立小学校の校外学習施設として設置され、現在も小学5年生の移動教室で利用している。児童たちはキャンプファイヤーをしたり、肝試しをしたり、楽しい思い出をたくさん作っているそうだ。
「ぼく、前にも富士学園に遊びに来てるんだよ。ロビーに面白い時計があるんだよね~」
時刻はちょうど11時に。すると、時計がにぎやかな音楽を奏で始め、3匹の木彫りの猿がビョーンと飛び出した。支配人の小俣さんが「猿時計は移動教室の子供たちにも大人気ですよ」とほほ笑む。創立時に建物と一緒に作られ、過去に1度違う曲に変わったが、現在は当初と同じ阿波おどり風の曲が使われているという。
「東京高円寺阿波おどりのおはやしに似てて、うれしいな~」

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並の保養施設・宿泊施設>富士学園(民営化宿泊施設)
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並のイベント>東京高円寺阿波おどり
富士学園(外部リンク)

杉並区民はリーズナブルに利用できる富士学園。体育館があるのでスポーツ合宿に便利

杉並区民はリーズナブルに利用できる富士学園。体育館があるのでスポーツ合宿に便利

2時間おきに、音楽に合わせて3匹の猿が登場するユニークな猿時計

2時間おきに、音楽に合わせて3匹の猿が登場するユニークな猿時計

富士の名水で作るそば・うどん

お昼ごはんの時間になり、「麺処びわ」で天ざるそばを食べた。忍野村は、山梨県内で最も優良なそば粉の産地である。
「富士山の名水と厳選されたそば粉で作られているんだって。香りが良くておいしい~」
そばだけでなく「吉田のうどん」も村の名物だ。コシの強いむっちりした歯ごたえのある太麺で、食べ応えバツグン。もちろん富士の名水が使われている。
「おなかいっぱいになったし、きれいな水が湧き出る忍野八海を見に行ってみようよ!」

「麺処びわ」の天ざるそば

「麺処びわ」の天ざるそば

絶景に感動!忍野八海

忍野八海は、富士山の伏流水を水源とする8つの湧水池からなる観光スポットだ。世界遺産富士山の構成資産の一部として認定されており、中国など海外からも観光客が訪れる。「新型コロナウイルス感染症のために減少していた観光客も戻ってきました」と後藤さん。この日も多くの人々が、澄んだ池と富士山が織りなす風景を眺め、写真撮影を楽しんでいた。
「いろんな池があって面白いね!湧池はコイが気持ち良さそうに泳いでいる。お釜池は深くてちょっと怖い~」

▼関連情報
忍野村公式観光ホームページ>忍野八海(外部リンク)

お釜池。8つの池のうち一番小さいが水深は4m

お釜池。8つの池のうち一番小さいが水深は4m

飲食店や土産店などが軒を連ね、とてもにぎやか。「よもぎまんじゅう1つください!」

飲食店や土産店などが軒を連ね、とてもにぎやか。「よもぎまんじゅう1つください!」

米山さんが「少し外れたところにある川沿いの景色もお勧めですよ。春は桜がきれいです」と、新名庄川(しんなしょうがわ)を案内してくれた。近くにある「東圓寺(東円寺)」で忍野八海の古い資料を見学したり、「忍野八海浅間神社」で富士山神輿(みこし)を見たり、寺社巡りも楽しんだ。

▼関連情報
東圓寺(外部リンク)
忍野村公式観光ホームページ>忍草浅間神社(外部リンク)

東圓寺にある「元八湖再興図」。「忍野八海は江戸時代、富士登拝する人が入山前に身を清める場所でした」と米山さん

東圓寺にある「元八湖再興図」。「忍野八海は江戸時代、富士登拝する人が入山前に身を清める場所でした」と米山さん

山梨大学と忍野村の共同研究で生まれたドリンク

忍野村の魅力をたくさん知ったところで、いよいよ村役場で「とうもろこしドリンク」の誕生話を聞くことになった。
観光産業課の天野さんが「遊休農地の増加を解消するため、2017(平成29)年に、村の特産品を使って通年販売できる商品を開発する部会を立ち上げました」と語る。
「そうか、ドリンクなら1年中飲めるね~」
発酵食品研究の第一人者、山梨大学の柳田藤寿教授の協力で、湧水から取り出した乳酸菌を使いトウモロコシを発酵させた。完成したドリンクを村の人に試飲してもらったところ、最初はトウモロコシを食べ慣れている人ほど「味がなじまない」という意見だった。何度も改良するうちにアンケート結果も良くなり、2021(令和3)年7月から販売開始。
「おいしいトウモロコシとお水、そして、みんなの努力がこの味を生んだんだね~!」

▼関連情報
忍野村>特産品の販売について(外部リンク)

トウモロコシに適した乳酸菌を見つけるのに時間がかかったという

トウモロコシに適した乳酸菌を見つけるのに時間がかかったという

「近隣の道の駅などで販売し、ふるさと納税の返礼品にもなっています」と天野さん

「近隣の道の駅などで販売し、ふるさと納税の返礼品にもなっています」と天野さん

はやりのグランピングもできる

土産にとうもろこしドリンクをたくさんもらい、お礼を言って村役場を後にしたなみすけたち。
最後に「グランドーム 富士忍野」に立ち寄った。2022(令和4)年5月にオープンしたばかりのグランピング施設で、プール付きのヴィラタイプやドームテント型の客室などが、富士山や桂川(かつらがわ)を見渡せる敷地に立っている。案内してくれたマネージャーの渡辺さんは「皆さんバーベキューをしたり、川で釣りを楽しんだり、ゆったりとした時間を過ごしています」と話す。
「日帰りできる距離だけど、泊まってのんびり観光するのもいいね!今度は一泊で遊びに来たいな~」

▼関連情報
グランドーム 富士忍野(外部リンク)

全8棟のグランピング施設「グランドーム 富士忍野」

全8棟のグランピング施設「グランドーム 富士忍野」

桂川ではヤマメやイワナなどが釣れる

桂川ではヤマメやイワナなどが釣れる

DATA

  • 取材:西永福丸
  • 撮影:西永福丸、TFF
    写真提供:忍野村
    取材日:2022年06月12日
  • 掲載日:2022年08月01日