仏蘭西ソース

その土地の分身となる土産物を目指して

肉や魚のソテー、グラタン、シチューなど、さまざまな料理に使えるベシャメルソース風の「仏蘭西(ふらんす)ソース」。土産物づくりを通して街を盛り上げる「我が街プロジェクト」の商品第1弾として誕生した。
プロジェクトのメンバーは、狩野さん(コクテイル書房)、石塚さん(串焼き処ディズ)、倉嶋さん(古典酒場)、藤田さん(日本たばこ産業株式会社)の4人。代表の狩野さんは「土産物を作ろうと思ったきっかけは、修学旅行に行った子供たちからアニメグッズを土産に買ったと聞いて、憤りを感じたこと」と笑う。「かつて土産物にはその土地の歴史や風土が詰まっていました。土産物を考えることで見えてくるものがあるのではないかと思ったのです」

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パッケージは戦前のフランスのカフェをイメージ。常温で1年間保存可能

パッケージは戦前のフランスのカフェをイメージ。常温で1年間保存可能

西荻窪の偉人にちなんだ商品を開発

2021(令和3)年4月にプロジェクトが発足。メンバー全員が良い印象を持つ西荻窪の土産を作ることに決定した。
地域について調べる中で、まちづくりと文化開発に取り組んだ井荻村の村長・内田秀五郎と、老舗フランス料理店「こけし屋」でカルヴァドスの会を開いた石黒啓七、2人のゆかりの人物に着目。彼らの功績を伝えるため、フランスの香りが漂う文化的な街・西荻窪をイメージした商品を作り上げた。倉嶋さんは「10月にこけし屋でお披露目会を開催し、作家の角田光代さんとトークイベントを行ったのですが、角田さんに“なんでソースなの、土産といえばまんじゅうじゃない?”と驚かれました」とほほ笑む。

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「我が街プロジェクト」メンバー。左から倉嶋さん、狩野さん、石塚さん、藤田さん

「我が街プロジェクト」メンバー。左から倉嶋さん、狩野さん、石塚さん、藤田さん

子供から年配者まで、誰もが大好きな味

ソース作りはもちろん、真空パックに詰めることもメンバーが全て手作業で行っており、石塚さんは「商品というより作品です」と胸を張る。こだわりは、無添加であることと、チーズを使い濃厚に仕上げているところ。特に鶏のソテーにぴったり合い、残ったソースをバゲットに付けて食べてもおいしい。杉並産のジャガイモ・ニンジン・タマネギが入った「仏蘭西ソース(野菜入り)」もあり、こちらはパスタソースにするのもおすすめだ。
現在はコミュかるショップやオンラインショップで販売しているが、今後は西荻窪に「我が街酒場」を開き、対面販売しながらソースの活用例を紹介していく予定だという。「間借り営業で、いつ現れるのかわからないことも面白みの一つです。ぜひ一度味わっていただき、“なぜ仏蘭西ソースなのか?”と不思議に思った方々に、西荻ってこういう街なんだよと伝えていきたい。売り上げの一部を地域に還元することも検討中です」と、全員が意気込みを語っていた。

「仏蘭西ソース(野菜入り)」をかければ、チキンソテーの見た目と食べ応えがグレードアップ

「仏蘭西ソース(野菜入り)」をかければ、チキンソテーの見た目と食べ応えがグレードアップ

○価格
仏蘭西ソース  1袋190g 600円
仏蘭西ソース(野菜入り) 1袋190g 800円

○販売場所
コミュかるショップ
・我が街プロジェクト BASEショップ
 https://wagamchi.base.shop/

○問い合わせ
コクテイル書房
電話: 03-3310-8130
メール:cocktailbooks@live.jp

商品を購入すると「西荻窪おさんぽMAP」などのパンフレットが同封される

商品を購入すると「西荻窪おさんぽMAP」などのパンフレットが同封される

DATA

  • 最寄駅: 西荻窪(JR中央線/総武線) 
  • 取材:西永福丸
  • 撮影:西永福丸、TFF
    取材日:2022年02月09日
  • 掲載日:2022年06月20日