杉並区と東京2020オリンピック・パラリンピック

杉並区の東京2020大会レガシー

2020(令和2)年、56年ぶりに東京で開催される平和の祭典に向けて、杉並区でもさまざまな取り組みが実施される。
今⼤会ではレガシーという⾔葉が重要なキーワードの⼀つとなっている。レガシーとは遺産という意味で、⼤会後の未来へと遺し、伝えていくもののことである。区が目指すレガシーについて、区⺠⽣活部⽂化・交流課オリンピック・パラリンピック連携推進担当は「区ではレガシーをハード(施設や設備など)とソフト(⼈材や技術や情報など)に分けて、両⾯で考えている」と話す。

イタリアビーチバレーボールチームの事前キャンプ地

ハード⾯では、永福体育館に整備された国際基準を満たすビーチコートがある。都内でも珍しい本格的な設備で、イタリアビーチバレーボールチームの事前キャンプ地に選ばれた。ビーチバレーは、1996(平成8)年のアトランタオリンピックで正式種⽬となって以来、ロンドン2012大会、リオ2016大会で最も多くの観客を動員した⼈気が⾼いスポーツ。オリンピック代表選⼿が区内で練習をするということで、⽇本チームのみならずイタリアチームへの親近感がわき、ビーチバレーへの関⼼と共に応援の声も⾼まることが期待される。区では、公開練習や交流イベントなども企画されているので、オリンピック競技の迫⼒を⾝近に感じ、選⼿と触れ合える貴重な機会となるだろう。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並のさまざまな施設>永福体育館

永福体育館のビーチコートには、キャンプ決定の周知、及びチームを応援するため、横断幕を掲げている。イラストはイタリア 出⾝で杉並区在住のルカ・ティエリさんが担当

永福体育館のビーチコートには、キャンプ決定の周知、及びチームを応援するため、横断幕を掲げている。イラストはイタリア 出⾝で杉並区在住のルカ・ティエリさんが担当

2020(令和2)年1⽉に杉並区役所1階ロビーで、東京2020大会200日前を記念したイベントと併せ、イタリアビーチバレーボールチームを応援するイベントが開催された(写真提供︓⽂化・交流課)

2020(令和2)年1⽉に杉並区役所1階ロビーで、東京2020大会200日前を記念したイベントと併せ、イタリアビーチバレーボールチームを応援するイベントが開催された(写真提供︓⽂化・交流課)

すぎなみ版ボランティア「TEAM NAMISUKE」発進

ソフト⾯でも画期的な試みが始まっている。2019(令和元)年よりスタートした、すぎなみ版ボランティア「TEAM NAMISUKE(チームナミスケ)」だ。東京2020大会を契機に始めたボランティアが一過性のものとならないよう、⼤会後も続いていく仕組みを整えた。多くの区民がボランティアに参加し、誰もが障害者や高齢者、小さな子供連れの方などに配慮した行動ができる「心のバリアフリー」の実現を目指す。東京2020大会がきっかけとなり、ボランティアに積極的な区⺠が増えることは、まさに杉並区のレガシーといえる。

区にゆかりのあるアーティストがデザインした「TEAM NAMISUKE」オリジナルユニフォーム

区にゆかりのあるアーティストがデザインした「TEAM NAMISUKE」オリジナルユニフォーム

オリンピック聖⽕リレーが杉並区を⾛る

1964(昭和39)年の東京オリンピックと同じく、聖⽕リレーは区内でも⾏われることが決定している。実施⽇は東京都⽇程の9⽇⽬にあたる7⽉18⽇。前回⼤会の聖⽕リレーは、区内では⻘梅街道を通過するだけであったが、今回は各⾃治体でスタートとゴールが設定されている。コースは、区⽴桃井原っぱ公園をスタートし、⻘梅街道を⻄から東に⾛り、区⽴蚕⽷の森公園が到着予定地となっている。スタート地点の桃井原っぱ公園では、聖⽕の出発を祝うセレモニーも予定されている。7⽉24⽇の開会式に向けて気運の⾼まりを区内で体感できる最⼤のチャンスだ。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 特集>公園に行こう>区立桃井原っぱ公園
すぎなみ学倶楽部 特集>公園に行こう>区立蚕糸の森公園
杉並区HP 東京2020オリンピック聖火リレールートが決定しました(外部リンク)

聖火リレーのスタート地点になる桃井原っぱ公園

聖火リレーのスタート地点になる桃井原っぱ公園

1964(昭和39)年の東京オリンピックでは、青梅街道で聖火リレーが行われた(写真提供:原田弘さん)

1964(昭和39)年の東京オリンピックでは、青梅街道で聖火リレーが行われた(写真提供:原田弘さん)

杉並で東京2020大会を楽しもう

「杉並区でもオリンピック・パラリンピックに参加できるんだよ、ということをお伝えしたい」と、区の担当は⼒を込めて話す。区では東京2020大会開催に向け、区⺠が今大会を⾝近に感じられるいろいろなイベントの開催が予定されている。情報は区公式ホームページの「東京2020オリンピック・パラリンピック競技⼤会に向けた取り組み」の「関連イベント」ページに随時掲載される。都⺠として東京2020大会に期待すると共に、区⺠としても⾝近な地域で盛り上がりに参加できる機会は豊富だ。2020(令和2)年が忘れられない夏になる。

▼関連情報
杉並区HP 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組み>関連イベント(外部リンク)

2019(平成31)年3月には、大会開幕の500日前イベントとして「パラスポーツ報道写真展&ボッチャ体験会」が行われた

2019(平成31)年3月には、大会開幕の500日前イベントとして「パラスポーツ報道写真展&ボッチャ体験会」が行われた

DATA

  • 取材:嶋野 夏樹
  • 撮影:嶋野 夏樹、TFF
    写真提供:文化・交流課、広報課
  • 掲載日:2020年03月02日