高井戸駅から南へ徒歩8分、中央自動車道高架沿いにある上高井戸第六天神社(かみたかいどだいろくてんじんじゃ)。
創建は鎌倉時代と言われており、1856年にできた総ケヤキ造りの本殿の三面に見事な彫刻が施されている。『杉並の神社』によると、拝殿の彫刻は10年の歳月をかけた深川の彫工、後藤勇次郎の作である。また、境内には、外置きとしては杉並区内で一番古い狛犬がある。台座に「明和8年」(1771年)と刻まれたこの狛犬は、1988(昭和63)年に杉並区指定・有形文化財になった。
江戸時代初頭、宿場だった高井戸は二つの村に分かれており、西側を上高井戸村、東側を下高井戸村と呼んでいた。この神社は上高井戸村を守護する神社(鎮守)であった。
1972(昭和47)年、玉川上水の上に中央自動車道が開通するため、社殿を道路から離して少し北に移した。それまでは玉川上水から見上げる位置にあり、明治時代には景勝地として絵葉書になるほどの景色だったという。今も、高速道路のすぐ横にあるとは思えないほど、重厚でおごそかな雰囲気をもつ神社だ。
当神社は兼務社だが、御朱印は下高井戸八幡神社でいただける。
※兼務社:神職が常勤していない神社
文化財シリーズ『杉並の神社』(杉並区教育委員会)