
「日常に寄り添うコーヒーとして、気楽にSILVER LININGの一杯を味わって」と高橋アルマン氏
浜田山駅から徒歩約1分の場所にSILVER LINING(シルバー ライニング)がある。一見すると少し入りにくい印象だが、思いきって木製のドアを開けると、細長い空間に、カウンターやテーブル席、奥には焙煎機(ばいせんき)が置かれ、心地よい空間が広がっている。
店を営むのは高橋夫妻。開業のきっかけは、妻の史子氏によると「前職の頃、休日に夫が淹(い)れるコーヒーがおいしくて、とてもリラックスできるこの時間を楽しみにしていたことだった」と振り返る。二人は、史子氏が幼少期を過ごした浜田山で、2019(令和元)年に同店をオープン。店名は「お客様にとって、希望の光、ホッとできる場所になれば」という思いを込めた。ロゴはグラフィックデザイナーの佐藤卓氏が手がけた。
アイスコーヒー以外の冷たいドリンクも見逃せない。「ラズベリーコーヒートニック」は、ラズベリーシロップと浅煎りの水出しコーヒーを使った、ジュースのようにスッと飲める、暑い季節にぴったりのコーヒーだ。「トニックのほろ苦い炭酸とコーヒーの組み合わせが、すごくおいしいですよ」と史子氏。
ミントシロップを使った「アイスミントカフェオレ」は、刻んだチョコレートと生クリームをトッピングした後味すっきりの一杯で、チョコミント好きなら試してみたくなる。
食事は、数量限定の「クロックムッシュ」や「クロックマダム」などがある。また、史子氏は定番の「バスク風チーズケーキ」をはじめ、季節のスイーツや焼き菓子を手作りで提供している。「コーヒーに合う、素朴で優しい、手作りならではの温かみがある味を目指して作っている」とのことで、客からは「ちょうどよい甘さ」と好評だ。
開業間もない頃から、近隣の店主たちに温かく迎えられ、その紹介をきっかけに客が増えていった。現在も隔週で女性店主らがこの店に集まり「女子会」を開いており、地域との交流が続いている。また、定期的に来店する客と言葉を交わすことも多く、そんな浜田山を「都会でありながらも、温かい人が多い街」と感じているそうだ。
近年はコーヒー豆の価格高騰という難しい局面もあるが、「応援しているから、無理せず値上げしてでも続けてね」という常連客の声に支えられている。建物に残る煙突をそのまま生かして、焙煎機の煙突(排気筒)に利用するなど、街の歴史を受け継ぐような感覚も大切にしている。
夫妻は、「これからも浜田山で、皆さんに愛される日常の一コマであり続けたい」と語る。
※イギリスのことわざ。「どんな困難な場面にも、良い面や希望がある」