
人気商品の「スノーボール」(左)と「プレーンクッキー」(右)
南阿佐ケ谷駅から徒歩約15分、住宅街にある「Fluff(ふるーふ)- からだをおもうお菓子とコーヒーのお店 -」(以下、Fluff)。「おやつを通じて皆を笑顔にしたい」と店主のゆんさんが2023(令和5)年にオープンした店だ。テイクアウト中心だが、店内にテーブル席が2席あり、イートインも可能。
「メープルバナナケーキ」、「スノーボール」、「プレーンクッキー」が人気商品だという。デカフェのコーヒーやグルテンフリーの焼き菓子を販売していることもあり、カフェインを控えたい妊娠中の人や親子連れが多く訪れる。店を杉並区に選んだ理由について、「杉並は緑が多くファミリー層も多い安心感のある雰囲気が好きで、ここだと思いました」とゆんさんは語る。
「チョコレートブラウニー」はとても濃厚でしっかりチョコレートが味わえる。チョコレート好きの人は、カフェラテにチョコレートソースが入ったデカフェの「カフェモカ」を合わせるのもおすすめだ。デカフェのコーヒーは、90%以上カフェインが除去されているとは思えないほどおいしい。
メニューのアイデアは、イメージが先に浮かび、それをメニューに反映できる材料から考え始めるそうだ。例えば定番商品「有機ラズベリーとアーモンドのタルト」は、春のチューリップが揺れているようなイメージを形にしたもの。そこには、逆光で照らされたチューリップの隙間から差し込む太陽光や、光の温かい感覚、小さい頃の体験や気持ちなど、いろいろな要素が含まれている。「日常の、当たり前と思える瞬間を大事にして味にしたい」というのがゆんさんの思いだ。
焼き菓子は、小麦、卵、乳製品、白砂糖を使わずに作っている。卵の代わりには、甘酒や豆乳ヨーグルトを使用。「材料の分量を調節することで焼き加減などを調整しているんです」とゆんさんは教えてくれた。
Fluffが材料にこだわる理由は、ゆんさんが以前働いていたカフェで、アレルギーを持つ子供が、母親に食べられないからだめと言われて泣いているのを目にした経験があるからだという。また、ゆんさん自身も材料に敏感になったことがあり、何も考えずにおやつを食べたいと思っていた。それらのことが、アレルギーや食に制限がある人たちにも、選択できる喜びを知ってもらえるメニューを考えるきっかけとなった。
商品に欠かせない材料について、これからは原材料を作っている杉並区の生産者とつながっていきたいという。
「どういう過程を経てこの材料は作られているのかをもっと知り、生産者の気持ちをお客様に届けられるメニューを開発したい。生産者にも、こんなふうにお客様に届いているのだな、と知ってもらえる環境を作りたい」とゆんさんは語る。
また、高円寺にある日本の手仕事・暮らしの道具店cotogoto (コトゴト)での期間限定販売をはじめ、店舗で子供向けのクッキー作り体験や大人のお菓子教室を実施するなど、地域に根差した店づくりを進めている。
取材時、自転車に乗った親子連れがゆんさんと会話を楽しみ、さらっとおやつを買って帰る光景が印象的だった。地域に溶け込んでいるFluffのこれからが楽しみだ。