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それいゆ

何度も足を運びたくなるレトロな雰囲気の「それいゆ」店内

何度も足を運びたくなるレトロな雰囲気の「それいゆ」店内

水出しコーヒーの香りと落ち着いた空間

地元の人々から愛されている老舗カフェ「それいゆ」は、1965(昭和40)年10月にオープン。西荻窪駅南口から徒歩約3分で立ち寄りやすい。店のドアを開けると、昔ながらの照明や年季の入ったテーブル、水出しコーヒーの器具が目に入り、コーヒーの香りと音楽が流れてくる。店内はいつでも客でいっぱいだが、落ち着いた清潔な雰囲気が漂っている。

コーヒーの焙煎(ばいせん)豆は、同じ銘柄を使い続けている

コーヒーの焙煎(ばいせん)豆は、同じ銘柄を使い続けている

使命感を持って受け継いだ店

オーナーの廣田さんは2代目だ。「初代オーナーは両親。父親はトロンボーン奏者で音楽好きでした。店内には大量のレコードがあり、いつもジャズが流れていました。私も小さい頃から店に出入りしていて、宿題も店でしていたくらいだったので、いつか店を継がなくてはと感じていました。アニメ制作会社に勤務していましたが、2010(平成22)年ごろから、従妹と一緒に店を切り盛りしています。母と叔母が海外旅行で購入してきたフランス人形なども大事に飾っており、これまで築いてきた店をそのまま受け継いでいきたいと考えています」と語る。

ほんのり甘くしっとり濃厚な「パンプキンパイ」。店内の本は気軽に閲覧できる

ほんのり甘くしっとり濃厚な「パンプキンパイ」。店内の本は気軽に閲覧できる

こだわりを感じる豊富なメニュー

店のこだわりが感じられる、モーニングやランチ、ケーキの豊富なメニューも魅力の一つだ。
例えばモーニングセットは、「ふんわり厚焼きトーストセット」「朝の定番ベーコンエッグトーストセット」「とろーり練乳のミルクトーストセット」の3種類から選べる。ランチセットは、ナポリタン、カレーライス、チーズカレー、ピラフがあり、ピラフは日替わりのメニューだ。
コーヒーは、おいしい水を使い、1滴1滴、12時間かけて水出しコーヒーの器具で抽出している。香り高く、芳醇(ほうじゅん)ですっきりした風味だ。ブレンドコーヒー、カフェオレ、ウィンナコーヒーなどのほか、紅茶、レモネード、ココアなど飲み物もそろっている。ショーケースには、日によって異なるケーキが並ぶ。

「とろーり練乳のミルクトーストセット」。生クリームの分量など細やかに調整している

「とろーり練乳のミルクトーストセット」。生クリームの分量など細やかに調整している

日ごとに異なるケーキ。ショーケースの中はお楽しみ

日ごとに異なるケーキ。ショーケースの中はお楽しみ

愛さずにはいられない「それいゆ」の魅力

「店で出している料理やケーキ、店の雰囲気もすごく特別ではないけれど“非日常”な場所の提供を意識しています。なるべく毎日開店していて、お客さまが“あれが食べたい!”と思ったら、すぐに食べてもらえる店にしていきたいです。店も住まいも杉並区ということもあり、顔見知りが多く、店の外から声をかけてくれる方もいるんですよ。近隣との関わりは絶えず感じていて大切に思っています」と廣田さんは話してくれた。
創業から毎日のように通ってくる客や、作家・芸術家など文化人の来店が多いことも特徴だ。大勢の来店客に対応できるように、2025(令和7)年は14名のスタッフが日々交代で働いている。「メニューなどSNSでの情報発信も今頑張っているところ」と廣田さん。受け継いだものを大切に守りながら、新しいことに取り組む「それいゆ」にこれからも足を運びたい。

イラストがすてきなメニュー表

イラストがすてきなメニュー表

明るく「それいゆ」を切り盛りする廣田さん

明るく「それいゆ」を切り盛りする廣田さん

DATA

  • 住所:杉並区西荻南3-15-8
  • 電話:03-3332-3005
  • 最寄駅: 西荻窪(JR中央線/総武線) 
  • 営業時間:10:00-20:00
  • 休業:不定期(定休日は来店前に要確認)
  • 補足:https://x.com/soleil_nishiogi
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://www.instagram.com/soleil_nishiogi/
  • 取材:SATOKO
  • 撮影:SATOKO
    取材日:2025年03月15日
  • 掲載日:2025年05月05日