杉並区立桃園川緑道

歩きながら季節の草花を楽しめるように工夫されている(撮影:2020年4月5日)

歩きながら季節の草花を楽しめるように工夫されている(撮影:2020年4月5日)

かつての川の上を利用した美しい散歩道

杉並区立桃園川緑道は、旧桃園川の暗渠(※1)上に整備された、杉並区と中野区にわたって連なる緑道である。JR中央線の南側に位置し、杉並区側は、区立桃園川緑道として、阿佐ケ谷-高円寺駅間の高架脇から中野区との境まで、東西約1,600mに及ぶ。
1969(昭和44)年4月1日開園。当時の「杉並区広報」によると名称は「桃園川公園」で、細長い立地を生かして、幼児・少年・成人と3つの機能別コーナーが設けられ、遊具、ボール遊び場、階段式噴水などがあったという。その後、遊戯施設等の老朽化もあり、できるだけ段差をなくし安心して歩ける緑道にしようと、平成元年度から改修に着手。1994(平成6)年3月31日に「桃園川緑道」として生まれ変わった。
緑道内には、四季折々の花や樹木が多種植えられているほか、花咲かせ隊(※2)による季節の花壇もあり、1年を通じて美しい景色を楽しめる。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 特集>お花見ポイント>お花見ポイント-身近な公園

緑道を彩る四季折々の花(撮影:2020年10月3日)

緑道を彩る四季折々の花(撮影:2020年10月3日)

花咲かせ隊による花壇。花は年3回変わる(撮影:2022年1月9日)

花咲かせ隊による花壇。花は年3回変わる(撮影:2022年1月9日)

かわいいモニュメントが人気

西側の出入り口ゲートの近くには、ひときわ目を引く総モザイク貼りの大きな構造物がある。杉並区都市整備部みどり公園課によれば、これは旧桃園川を横断する水道管を覆うもので、モザイクは水の流れを表現しているという。また、カエル、カメ、カワウソ、カッパ、カモなどのかわいいモニュメントも随所に置かれ、道行く人たちの目を和ませている。水にちなんだものが多いのは、緑道化にあたり、かつてここに川が流れていたことを思い起こしてもらうように、という気持ちが込められているからだそうだ。
緑道が公道と交差するところに、杉並区独自の「とまれ」の路面ステッカー(動物マーク)が何種類か設置されているのも見どころである。
最近は、位置情報ゲームアプリのポータル(拠点)になっている場所も緑道内に多数あり、ゲームファンにも人気だ。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並のキャラクター>「とまれ」の路面ステッカー(動物マーク)

モザイク貼りの構造物。子供たちの遊び場にもなっている

モザイク貼りの構造物。子供たちの遊び場にもなっている

かわいいモニュメント。防寒してもらったり、お供え物があったりすることも

かわいいモニュメント。防寒してもらったり、お供え物があったりすることも

利用者便利情報(取材時現在)

広さ:8,948.97㎡
駐車場:なし
駐輪場:なし
ベンチ:なし
水遊び場:なし
ボール遊び場:なし
犬連れ:不可
トイレ:あり
バリアフリートイレ:あり
売店:なし
飲料自販機:なし
管理事務所:なし
防災設備:なし

※1 暗渠(あんきょ):河川や用水路を埋め立てて地下化し、見えなくしたもの

※2 花咲かせ隊:区民が区立公園で花壇づくりなどの緑化活動を自主的・主体的に行い、区がこれを支援する制度

西側の出入り口ゲート。中野区との区境の出入り口ゲートまでは、のんびり歩いて40分ほど

西側の出入り口ゲート。中野区との区境の出入り口ゲートまでは、のんびり歩いて40分ほど

区境にある出入り口ゲート(写真奥が中野区)

区境にある出入り口ゲート(写真奥が中野区)

旧橋名を刻んだ石碑。できるだけ平たんな作りにするために橋の親柱や欄干を撤去して、代わりに石碑で当時の記憶を伝えている

旧橋名を刻んだ石碑。できるだけ平たんな作りにするために橋の親柱や欄干を撤去して、代わりに石碑で当時の記憶を伝えている

DATA

  • 住所:杉並区高円寺南1丁目34番10号
  • 最寄駅: 阿佐ケ谷(JR中央線/総武線)  高円寺(JR中央線/総武線) 
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/kouen/02/kouenjiminami/1007190.html
  • 出典・参考文献:

    「杉並区広報第419号」(杉並区役所)
    「杉並新聞第1656号」(杉並新聞社)
    「すぎなみの公園」(杉並区土木公園課)

  • 取材:RYO
  • 撮影:RYO
    取材日:2022年01月09日、29日
  • 掲載日:2022年03月07日
  • 情報更新日:2024年03月21日