阿佐谷薪能

篝火(※)がはぜる、幽玄な薪能(たきぎのう)の世界

阿佐谷薪能は、5月に阿佐ヶ谷神明宮の能楽殿で行われる、能と狂言の鑑賞会。2017(平成29)年に始まり、地元有志によるボランティアの実行委員会「あさがや能・狂言の会」が主催している。薪能は夏の夜に篝火をたいて行う能楽で、平安時代が起源とされる神事・仏事。その神聖な儀式を現代の阿佐谷で楽しめる。
チケットは前売り券と当日券があり、350の客席が用意されている。まだ明るい17時に開場し、17時40分より開演。プログラムは二部構成で、一部では区内の能体験講座を受講した小学生が、演目のクライマックスに数人で歌う連吟(れんぎん)を行い、仕舞(しまい)と呼ばれる略式の舞を舞う。二部では、能楽師が地謡(じうたい)と連吟、狂言を行う。プログラムの合間には、神官と巫女(みこ)が厳かに入場し、松明(たいまつ)で火をともす「篝火点火の儀」も行われる。
深閑(しんかん)とした中に篝火のはぜる音が聞こえる空間で能・狂言を観る。杉並で、日本の古典芸能に触れられるイベントの一つだ。

※篝火(かがりび):油の多い木を割って鉄製の篝籠(かがりかご)に入れ、火を点けてともす、古代の照明

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>寺社>阿佐ヶ谷神明宮

迫力の篝火

迫力の篝火

篝火点火の儀

篝火点火の儀

事務局スタッフ・小田愼一さんインタビュー

Q:開催のきっかけは?
A:2017(平成29)年4月に、阿佐谷北の2つの自治会が共同で主催し、初めての「あさがや能・狂言の会 薪能」が開催されました。その際、来場者から「今後も継続して開催してほしい」との要望が出たため、主催団体「あさがや能・狂言の会」を再編成し、イベントを継続することになりました。

Q:開催の時期は?
A:本イベントは、「区内小学生能体験講座」の受講生が、年に一度発表する機会も兼ねています。前年度の講座のまとめとしての発表会を、新年度が落ち着いた5月にできるよう調整しています。

Q:観客として観る以外に参加する方法は?
A:2018(平成30)年11月より、座・高円寺2などで「能と狂言を愉しむための勉強会」を始めます。能や狂言の歴史・見どころ、所作や歩き方などの講座です。また、当日の手伝いだけでなく、企画や準備、告知活動にも参加してくれるボランティアを通年で募集しています。(問い合せ:DATA欄を参照)

Q:アピールしたいことは?
A:能や狂言を見ていただくだけのイベントではなく、能を学んでいる子供たちをバックアップするための発表の場を設けている点です。また、小学生や初めて鑑賞される方にも、親しみやすく内容がわかりやすい演目を公演していただくように能楽師の方にお願いしています。そのほか、杉並区交流協会を通じ、留学生向けに特別料金を設定したり、車椅子利用の方々へも杉並区社会福祉協議会を通じて開催告知を行っています。会場では区役所1階にある障がい者雇用を促進しているカフェ「Fika Fika(フィーカ フィーカ)」の出張販売もあります。

Q:今後の目標は?
A:「阿佐谷薪能」を、「阿佐谷七夕まつり」と「阿佐谷ジャズストリート」に続く、阿佐谷を代表する3番目のイベントに発展させていきたいです。2018年度より杉並区文化芸術育成事業にも選ばれました(2020年度まで継続予定)。日本を代表する伝統文化である能・狂言を、杉並から世界に発信したいですね。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、英語版のチラシや舞台紹介を用意したり、外国の方向けのワークショップも開催していく予定です。

日没前に開演

日没前に開演

区役所1階のカフェ「Fika Fika」が出張カフェをオープン

区役所1階のカフェ「Fika Fika」が出張カフェをオープン

会場の3つの篝籠と舞台両脇の太いろうそくが明かりをともす

会場の3つの篝籠と舞台両脇の太いろうそくが明かりをともす

【次回】第3回 阿佐谷薪能

開催日時:2019年5月予定 17:40-20:00頃

DATA

  • 電話:0800-170-7700(細田工務店内)
  • 最寄駅: 阿佐ケ谷(JR中央線/総武線) 
  • 取材:おおつちさとべえ
  • 撮影:TFF
  • 掲載日:2018年07月02日