店の主人・金さんは元会社員。蕎麦どころ長野の出身で、好きな蕎麦を仕事にしたいと26年勤務した会社を退社。開業に当たって「自分が食べたい蕎麦を、毎日でも食べられる値段で提供する店にしたい」と考えた。「なら、だしだ」、思い立った金さんはかつおぶし問屋に相談。試行錯誤で調整し、この味にたどり着いた。店頭には「つゆまで飲み干すたぐるの蕎麦」というポスターを貼るほどの自信作。合わせる蕎麦は、特注した挽きぐるみ(※1)の蕎麦。しなやかで甘みがある。さらに食事として満足できるメニューも。合鴨の脂がとろりとだしに溶け出す「鴨そば」(1,100円)やボリュームのある「牛肉そば」(950円)も人気が高い。「牛カレーざる」(1,050円)は、阿佐ケ谷駅近くのスパイス店「エベレスト スパイス アンド ハラル フード」に飛び込んでスパイスの組み合わせ指導を受けた。スパイシーだが蕎麦に合うカレーに仕上がっている。もちろん、一日の終わりを彩る「蕎麦前」(※2)もあり、全国の銘酒がカップ酒(650円~)で楽しめる。
・ランチ/ディナー 600円~
※1 挽きぐるみ:蕎麦の実を製粉するときに皮を剥(む)かずに製粉した蕎麦粉のこと。香りが強い
※2 蕎麦前:蕎麦を食べる前に蕎麦の具材などを肴に酒をたしなむこと