阿佐ケ谷駅から徒歩約5分。静かな住宅街にある建物の2階に、2016(平成28)年9月にオープンした百瀬食堂。店のドアを開けると、木のぬくもりを感じる内装に高い天井の心地よい空間が広がる。
オープンキッチンで手際よく料理を作るのは、「レストランキハチ」で25年修業したシェフ・百瀬壽郎さん。オーナーである山田紀子さんと二人三脚で店を切り盛りする。山田さんは杉並区の元児童館職員で、当時児童館に通っていた百瀬さんの子供を通じて知り合ったそうだ。百瀬食堂にも小さなキッズスペースが設けてあり、「子連れママにも安心して来てほしい」との山田さんの優しい気遣いが感じられる。
「ごはんに味噌汁、主菜と副菜の“基本の定食”を作りたくて店を始めた」という百瀬さん。カウンターには色とりどりの季節野菜が並んでいる。この店で使われる多くの野菜と米は、百瀬さんの生まれ故郷である長野県松本産だ。どの料理も野菜のおいしさが際立っており、フレンチレストランで修業したシェフの腕前が光る。ランチは炊きたてのつやつやごはんに、だしを丁寧にとった味噌汁、おかずと小鉢がついて980円。金曜日の限定メニュー「シェフのカレー」(ドリンク、デザート付き 1,500円)も人気だ。玉ねぎと野菜をじっくり煮込み、オリジナル調合のスパイスをきかせたカレーはご飯がよく進む。デザートには長野のりんごをふんだんに使った「タルトタタン バニラアイスクリーム添え」(800円、ハーフサイズ550円)がおすすめ。りんごの甘酸っぱさが口の中に広がり、バニラアイスとの組み合わせも最高だ。また、他ではなかなかお目にかかれない日本酒「第六」は、長野の酒米“ひとごこち”を使用して作られる純米吟醸酒。日本酒好きなら、家庭的な定食を肴(さかな)に晩酌も楽しめそうだ。この他、日本ワインも各種そろっている。
会社帰りや、休日などに気軽に立ち寄ってほっと一息つける場所だ。
・ランチ:平均1,000円~、・ディナー:平均4,500円~