杉並区立塚山公園

縄文時代に思いをはせる

浜田山駅から南へ徒歩でおおよそ13分、神田川の桜並木沿いに杉並区立塚山公園がある。
この地は「下高井戸塚山遺跡」にあたり、昭和時代の発掘調査の際に、縄文時代中期(約3500~4500年前)の住居跡が25軒見つかっている。1973(昭和48)年に遺跡や自然環境を保護しようと地元から強い要望があり、区民・議会・区が一体となって都や園に働きかけ、1988(昭和63)年3月に区立公園としてオープンした。
園内には遺跡に関した見どころが多数ある。特に目を引くのが、発掘された住居跡をモデルに復元した竪穴住居だ(写真上)。中に入ると、縄文時代の家族の暮らしぶりを見ることができる。このほか、1985(昭和60)年の調査で発掘された幅約4.5メートルの住居跡(復元、写真下)も残されており、跡地の上に立って大きさを確かめることが可能だ。また管理事務所には、発掘調査で発見された出土品のレプリカや、当時の集落を想像して作成した復元模型などが展示されている。

不燃化材で再現された竪穴住居

不燃化材で再現された竪穴住居

写真上左:竪穴住居の中で見られる縄文人の様子<br>写真上右:土器の形をしたユニークないすなど<br>写真下:縄文中期の住居跡(復元)

写真上左:竪穴住居の中で見られる縄文人の様子
写真上右:土器の形をしたユニークないすなど
写真下:縄文中期の住居跡(復元)

デイキャンプもできる、子供連れに嬉しい公園

公園中央の高台には池があり、周りをガマやショウブなどの水生植物群が彩る。とりわけ5月、キショウブの黄色い花が美しく咲きほこる時期が見頃だ。夏には、高台から下の「じゃぶじゃぶ池」まで続く長さ23メートルの“流れ”に水がはられ、水遊びをする子供たちでにぎわう。そばの「こども広場」には、滑り台付きの大型遊具が設置されているのだが、景観に溶け込むダークグリーンとブラウンの色調なのが区内でも珍しい。また、「こども広場」では夏休み期間中に団体(※)でデイキャンプも行える。
コゲラやモズなどの野鳥が住居跡周辺に見られるのも、木々が豊かなこの公園の特徴。ドングリがなるコナラやクヌギ、クリの木も茂り、実を拾いながら「縄文人も食べていたのかな」と想像してみるのも楽しい。公園西側の「ふれあい広場」には、さまざまなバラが植えられた花壇や、手入れの行き届いた生垣の見本がある緑化モデル園があり、散策におすすめだ。
管理事務所内「みどりのギャラリー」では、みどりに関する水彩画や写真が季節ごとに展示されている。また、毎週日曜日(第5日曜、年末年始除く)には「みどりの相談所」(※2) を開設。窓口や電話で、花や木の名前や育て方など、みどりに関するさまざまな相談が気軽にできる。

※1 青少年の健全育成活動を目的とした団体。デイキャンプの利用期間や申請方法などは以下サイトを参照
杉並区役所ホームページ>デイキャンプができる公園(外部リンク)

※2 みどりの相談所の利用方法などは以下サイトを参照
杉並区役所ホームページ>塚山公園 みどりの相談所(外部リンク)

キショウブが見ごろを迎えた5月の池

キショウブが見ごろを迎えた5月の池

夏に「じゃぶじゃぶ池」になる場所。水が出ていない季節も子供たちの楽しい遊び場

夏に「じゃぶじゃぶ池」になる場所。水が出ていない季節も子供たちの楽しい遊び場

利用者便利情報(取材時現在)

広さ:28,700.67㎡
駐車場:なし
駐輪場:あり
水遊び場:あり
公園内にあるスポーツ施設:少年野球場(スポーツ振興課管理)
犬連れ:可
トイレ:あり
バリアフリートイレ:あり
売店:なし
飲料自販機:あり(管理事務所内)
管理事務所:あり
防災設備:防火水槽

落ち着いた色合いの大型遊具

落ち着いた色合いの大型遊具

DATA