住宅地を歩いて行くと、大きなモチの木と趣のある一軒家がある。そこが松庵文庫だ。かつて音楽家夫妻が住んでいたという古民家をリノベーションした室内は、ブックカフェ、ギャラリー、レンタルスペース、セレクトショップから成る。これらの場所で、さまざまなワークショップや展示などが行われ、イベントのある日はここで一日を過ごす人もいるそう。多様な使われ方には「この空間と時間を地域のみんなでシェアしたい」というオーナーの気持ちが現れている。
カフェの名前は庭にある樹齢約100年のツツジの木から。メニューには、バリスタが選んだコーヒーに合うオリジナルレシピのスイーツがそろう。開店当時からの人気メニュー「カフィノア」は、香ばしいくるみが散りばめられたコーヒーのパウンドケーキ。ほろ苦いコーヒーの風味で、しっとりとした食感。土日限定で提供される「スパイスチーズケーキ」(600円/税別)は濃厚な味に香辛料がアクセントになっている。
平日のカフェタイムは、自分の時間を楽しむ女性客が気に入った席で思い思いに過ごしている。本を読んだり、庭をながめたり、ゆっくりとした時間を楽しみたい。