杉並区内に生息するセミの種類・セミの一生

セミの羽化を観察しよう

セミが羽化する姿はたいへん神秘的な、生物の成長シーンです。
毎年8月の初め頃、杉並区内の緑地などで夜間よく見ると美しいセミの誕生を目にすることができますが、気候の変化により毎年その時期は少しずつ違います。
このコーナーでは、神秘的なショーを観察し、記録することができるよう、アイデアとアドバイスを紹介しています。自由課題にも使えるワークシート付きですので、夏休みの自由研究にも役立ててください。

区内に生息する主なセミ

アブラゼミ
体長:32~40mmぐらい、頭からはねの先までの長さが53~60mmぐらい
特徴:7月初旬~9月下旬頃まで鳴き声を聞くことができる、おなじみのセミ。たまに10月を過ぎても鳴いたりして、驚かされる。全長はメスのほうが大きい。特に夕方によく鳴く。時々、体全体が赤みがかって、背中が紫色のようになっているものがあり、セアカアブラセミと呼ばれている。
鳴き声:ジーィ,ジーィ,ジーィ,・・・

ミンミンゼミ
体長:31~36mmぐらい、頭からはねの先までの長さが57~63mmぐらい
特徴:7月中旬~9月中旬ごろ、アブラゼミよりも少し遅れて出てくる、おなじみの大型のセミ。西日本では山の中でしか見られないが、関東あたりでは都市の中でも見られ、特に増えている。あまり群れを作らず、一度鳴くごとに移動する。朝から夕方まで、大きな声で鳴いている。
鳴き声:ミーンミンミンミンミーー

ニイニイゼミ
体長:20~26mmぐらい、頭からはねの先までの長さが32~40mmぐらい
特徴:梅雨明けの6月下旬~7月初旬に現れ、8月中旬頃まで聞くことができる小型のセミ。
メスの方がオスよりやや大きい。朝、薄暗いうちから一日中鳴いている。北海道から南西諸島まで、日本各地で見られるが、湿気のある樹林が好きなために最近都会ではめっきり減少した。
鳴き声:チーチッチッチッー

ツクツクボウシ
体長:26~33mmぐらい、頭からはねの先までの長さが40~47mmぐらい
特徴:8月中旬~9月あたり、夏の終わりごろによく見られる。日本各地の町から山の中までの広い範囲に生息している。なかまがそばで鳴き出すと、それに答えるようにして「ジュー」と鳴いたりする。
鳴き声:ツクツクホーシツクツクホーシ…

ヒグラシ
体長:23~40mmぐらい、頭からはねの先までの長さが41~50mmぐらい
特徴:7月から9月くらいまで見られるが、近年都会でめっきりと数が減ったセミ。日暮れ時によく響く声で鳴くのがその名の由来、と言われる。特に平地土地が湿っていて薄暗い林の中といった環境を好む。明るさや温度に敏感で、あたりが暗くなると鳴き出す。平地では、明け方と夕方によく鳴き、涼しくて薄暗い山の林の中では一日中鳴いていることもある。
鳴き声:カナカナカナ…

クマゼミ
体長:40~48mmぐらい、頭からはねの先までの長さが60~68mmぐらい
特徴:日本で最も大きいセミで、本来は西日本が生息地。それが近年は東京でも見られるようになった。温暖な地域の平地や低山地、都市部の公園などで生息している。7~8月頃に出てきて、日の出前から午前中いっぱい、大声で鳴いている。午後はぴたりと鳴きやむ。センダンの木などを好み、樹液を吸いにやってくる。
鳴き声:シャーシャーシャーシャーシャー…

上から  アブラゼミ ミンミンゼミ ニイニイゼミ ツクツクボウシ ヒグラシ

上から  アブラゼミ ミンミンゼミ ニイニイゼミ ツクツクボウシ ヒグラシ

セミのぬけがら

同じようにみえるセミのぬけがら。でも、セミの種類によって、やっぱりちがうんだ。よく観察して、ちがいを見つけてみよう。

<アブラゼミ>
町の中でもよく見つかる。大きさは3cmぐらい。こい茶色をしている。2番目と3番目のあしの間に、とても小さい突起(とっき)がある

<ニイニイゼミ>
木が多くてうすぐらく、地面のしめっているところに多い。大きさは2cmぐらいで小さく、からにドロがついている。

<クマゼミ>
センダンやケヤキの木に多い。からが3cm以上あって、大きい。
2番目と3番目のあしのあいだに突起(とっき)がある。茶色くてテカテカしている。

<ヒグラシ>
うす暗い林の中に多くいる。2.5cmぐらいで、ツクツクボウシと形が少しにている。ツクツクボウシよりも少し太く、表面にもツヤがある。

<ツクツクボウシ>
住宅地の中、雑木林などでよく見つけられる。他のセミのぬけがらよりもやせていて小さい。うすい茶色で、表面もあまりテカテカしていない。

<ミンミンゼミ>(
町の中でもよく見つかる。大きさは3cmぐらい。アブラゼミとよく似ていて判断がむずかしい。ミンミンゼミのほうがやや薄い茶色をしている。

ヒグラシ

ヒグラシ

ニイニイゼミ

ニイニイゼミ

ツクツクボウシ

ツクツクボウシ

ミンミンゼミ

ミンミンゼミ

セミの一生

産卵(さんらん)
セミの卵は長さが約2ミリ、つやのある乳白色をしています。交尾をしたメスがおしりの管を木の枝に突き刺して、枝の中に卵を受け見つけます。卵は数個ずつ産みつけられています。交尾を終えたオスや産卵を終えたメスは、死んでゆきます。

孵化(ふか)
セミの卵は長さが約2ミリ、つやのある乳白色をしています。交尾をしたメスがおしりの管を木の枝に突き刺して、枝の中に卵を受け見つけます。卵は数個ずつ産みつけられています。交尾を終えたオスや産卵を終えたメスは、死んでゆきます。

幼虫(ようちゅう)
幼虫は生まれて少し休むと、すぐに動き出します。木の幹を歩いて地面に降りてくることもあれば、木から地面にぽとりと落ちてくることもあります。地面に着くと、やわらかいところから土の中にもぐりこんでいきます。
こうして土にもぐりこんだ幼虫は、木の根の近くにトンネルを作って、管のような口を根にさし、樹液を吸って成長してゆきます。

地上に出てくる
土の中で数回の脱皮(だっぴ:皮を脱ぐこと)を繰り返して成長した幼虫は、地上に出るための道、坑道(こうどう)を掘り始めます。そして外の様子をうかがいながら、夏の夕方から夜中にかけて、地上に現れます。

木に登る
地上に出た幼虫は、しばらく歩きまわって木を探し、登り始めます。そして木の幹や枝、葉の裏側などに足先のつめでつかまり、羽化(うか)の時を待ちます。

羽化(うか)
夏の夜、じっとつかまっていた幼虫の背中の皮が割れると、羽化の始まりです。そりかえるような形で頭からあらわれ、羽があらわれ、足。腹のはじっこだけを皮の中に残してしばらく休みます。
皮を脱いだ姿は、透き通るエメラルドグリーンのような色。羽も、くしゃくしゃです。
しばらく休んでから、セミはぐいと腹から起き上がり、足で殻にしがみつくようにして腹のはじっこを殻から引き出し、完全に全身を現します。そこからシワシワの羽がゆっくりと伸び始めて、きれいな羽の形になってゆくのです。

DATA

  • 取材:野上優佳子
  • 掲載日:2008年07月01日