instagram

クレー射撃

東京都スポーツ大会(※1)で2連覇を果たした杉並区クレー射撃連盟の皆さん(写真提供:杉並区クレー射撃連盟)

東京都スポーツ大会(※1)で2連覇を果たした杉並区クレー射撃連盟の皆さん(写真提供:杉並区クレー射撃連盟)

東京都スポーツ大会で2連覇を達成

2026(令和8)年5月、杉並区は「第79回東京都スポーツ大会 クレー射撃競技」で総合優勝を果たした。第78回大会に続く2連覇である。高度な集中力が求められ、競技当日のコンディションにも大きく左右されるクレー射撃での連覇は、極めて困難であるといわれている。しかも、「トラップ」と「スキート」(※コラム3参照)、2種目の合計得点による総合優勝という快挙である。
杉並区クレー射撃連盟の佐藤正美会長と木佐治彦副会長に、2連覇を成し遂げた要因や、クレー射撃競技の基礎知識や魅力について伺った。

杉並区クレー射撃連盟会長の佐藤正美さん

杉並区クレー射撃連盟会長の佐藤正美さん

副会長の木佐治彦さん

副会長の木佐治彦さん

安全を最優先に、競技の普及に取り組む

「杉並区クレー射撃連盟は、1950(昭和25)年に設立された東京都クレー射撃協会の支部組織として活動しています。会員は約70名(2026年7月現在)。競技としてクレー射撃に取り組む人だけでなく、狩猟技術の向上を目的とする人や、生涯スポーツとして楽しむ人など、さまざまな方が会員となっています」と佐藤さんは話す。
会長に就任した経緯については、「杉並区には警察署の管轄区域ごとに猟友会と鉄砲安全協会があり、その代表がクレー射撃連盟の会長を兼ねることが多い」とのこと。佐藤さんは高井戸ブロックの猟友会と鉄砲安全協会、木佐さんは杉並ブロックの猟友会の代表としても活躍している。
木佐さんは、「射撃と狩猟は、銃の安全な操作を⾝に付けるという点で表裏⼀体ともいえるので、お互いの組織が協力し合い、安全を最優先にしながら競技の普及と競技力の向上に取り組んできました」と語る。練習は山梨、千葉、群馬方面のクレー射撃場で、月2〜3回程度行っているそうだ。

クレー射撃で使用する散弾銃。銃砲所持許可を持たないと触れることさえできない

クレー射撃で使用する散弾銃。銃砲所持許可を持たないと触れることさえできない

一瞬の集中力が勝負を決める

クレー射撃は、クレーと呼ばれる陶器製の円盤を空中に放ち、それを撃ち落とした数によって得点を競う競技である。一方、固定された標的をライフル銃やエアライフルで撃つのがライフル射撃競技で、どちらもオリンピックの正式種目となっている。
クレー射撃には、射手の前方から3方向(左・右・正面)にランダムに飛び出し、遠ざかるクレーを狙う「トラップ」と、左右から飛び出すクレーを狙う「スキート」の2種目がある。どちらも瞬時の判断力や、タイミングとリズム、そして高い集中力が求められる。
その魅力について佐藤さんは、「まずはクレーが割れた瞬間の爽快感ですね。また、全国レベルの選手が出場する大会で一般の競技者が勝つことがありますし、いくつになっても長く続けられることも大きな魅力です」と話す。

左・右・正面方向のいずれかに飛び出し、遠ざかるクレーを撃つ「トラップ」

左・右・正面方向のいずれかに飛び出し、遠ざかるクレーを撃つ「トラップ」

左右から交差するように飛ぶクレーを撃つ「スキート」

左右から交差するように飛ぶクレーを撃つ「スキート」

クレー射撃の奥深さを一人でも多くの方に

杉並区はこれまで「スキート」で好成績を収めながらも、総合優勝にはあと一歩届かない年が続いていた。近年は「トラップ」にも実力者が加わり、チーム全体の総合力が大きく向上したという。しかし佐藤さんは、「強い選手が加わったから勝てたという単純な話ではない。長年にわたって、東京都スポーツ大会や杉並区スポーツ祭(※2)などの競技に、ともに挑んできた仲間との信頼関係や努力が実を結んだ結果だ」と振り返る。
近年はジビエブームを背景に、狩猟への関心が高まっているという。しかし、鉄砲所持許可を取得するには厳格な審査があり、取得までに時間を要する。また、銃や弾薬の購入、練習費用などの経済的な負担も少なくない。それでも「連盟では、安全なルールやマナーを身に付けた上で射撃を楽しみたい方を広く歓迎したい」「この奥深いスポーツの魅力を、ぜひ味わっていただきたい」と、佐藤さんと木佐さんは期待を寄せる。クレー射撃に興味を持った方は、問い合わせてみてはいかがだろうか。

※1 東京都スポーツ大会:区市町村の対抗方式で行われる都内最大級のスポーツ大会
※2 杉並区スポーツ祭:年間を通じて各種競技を行う区民総合スポーツ大会。クレー射撃は秋季大会で実施

直径約11.5cmのクレー。秒速22〜30mで飛ぶ。割れる瞬間の爽快感はこの上ない

直径約11.5cmのクレー。秒速22〜30mで飛ぶ。割れる瞬間の爽快感はこの上ない

DATA

  • 電話:090-2545-8460(杉並区クレー射撃連盟事務局)
  • 出典・参考文献:

    「公益社団法人 日本クレー射撃協会」
    https://clay-shooting.website/ 
    「東京都クレー射撃協会」
    https://www.tokyo-clay.com/
    撮影協力:大月クレー射撃場

  • 取材:ノチヒロユキ
  • 撮影:ノチヒロユキ
    取材日:2026年07月06日、20日
  • 掲載日:2026年08月17日