
ダークグレーを基調とした店内は、まるで蔵の中のよう
荻窪駅北口から環八方面へ5分ほど歩いた路地に、古民家風の建物が隠れ家のようにたたずんでいる。のぼりがなければ、そこがカフェだと気づかないかもしれない。「本で旅するVia(ヴィア/ビア)」は、店主の伊藤雅崇さんが2022(令和4)年6月30日に開業した読書カフェだ。
荻窪の地を選んだ理由について、伊藤さんは「決定的なのは、ここに物件があったということに尽きるのですが、中央線沿線ってやっぱり独特の雰囲気があるので」と語る。
長年、旅行会社で添乗員として活躍しながら、ツアー情報誌の制作に携わっていた伊藤さん。世界中のさまざまな本を読み進めるうちに、「いつかは本にまつわる仕事がしたい」という思いが募り、「本で旅するVia」として結実した。店内には伊藤さんが選りすぐった旅や世界の歴史・文化に関する新書や古書約1,000冊が所狭しと並び、訪れる人を待ち受けている。
また、自分の本を持ち込んでの読書も自由とのこと。
店名の「Via」は経由を意味し「ここを起点に本の世界を旅していただけたら」という願いが込められている。
1階は、集中して読書や思索に没頭できるよう、落ち着いた照明と静寂に包まれた空間だ。「Via」では、この静かな読書空間をサービスの一環と捉え、飲食代とは別に1時間ごとに席料を設定している。「本の旅を快適に楽しんでいただけるように」との配慮から会話は基本NG。パソコンの打鍵音やスマートフォンのシャッター音にも気配りが必要だ。
また、デジタルデバイスから離れ、より集中して読書ができるようスマートフォンなどを店舗側で預かるサービスもあり、デジタルデトックスの場としても利用可能だ。
「Via」では、本だけでなく味や香りでも世界を旅することができるよう、世界各地の豆を使ったコーヒー、ラトビアのハーブティーなどのドリンクやフード、スナックを取りそろえている。伊藤さんこだわりの3種類のオリジナルブレンドコーヒーをはじめ、各種クラフトビールも味わえる。
さらに、ドリンク類は、1杯目から3杯目まで注文するごとに価格が下がるシステムになっており、長時間の滞在にも配慮されているのがうれしい。二次元コードを利用したLINE(ライン)オーダーが基本だが、口頭での注文も可能だ。
他にも手作りマフィンやチーズケーキがあるので、読書に少し疲れたら、ひとときのコーヒーブレイクを楽しんでみてはいかがだろうか。
※静謐(せいひつ):静かでおだやかなこと