
杉並区との協業による支援活動で建設された、ネパールの学校(写真提供:チャイルド・ファンド・ジャパン)
チャイルド・ファンド・ジャパンは、主にアジア諸国の貧困地域の子どもたちへの支援活動を行う特定非営利活動法人だ。2025(令和7)年時点の主な支援地域は、ネパール、フィリピン、スリランカなど。教育・健康・防災といったさまざまな分野での支援を通じ、支援地域の子どもたちが将来に希望を持って生活できることを目指して活動している。
これまでの歩みや杉並区とのつながりなどについて、職員の藤井さんに話を聞いた。
チャイルド・ファンド・ジャパン発足のきっかけは、1952(昭和27)年に、アメリカの民間団体・キリスト教児童基金が、日本の戦災孤児にアメリカ・カナダからの支援を届けるため、日本に社会福祉法人基督教児童福祉会(CCWA)を設立したことだった。「初めは、支援を受けるための団体だったのです。その後、高度経済成長期を経て子どもたちの置かれた環境が改善されたことから、次は手を差し伸べる側になろうと1975(昭和50)年、法人内に国際精神里親運動部を創設しました。これが、チャイルド・ファンド・ジャパンの支援活動の始まりです」と藤井さん。その後、徐々に活動規模や支援地域を広げつつ、2005(平成17)年、民間団体から特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンへと変更した。「支援の受け手から担い手へ。私たちはこれを"愛のバトンタッチ"と呼んでいます」と藤井さんは振り返る。
海外の支援地域では、それぞれの課題に応じた活動を行っている。ネパールでは、制服や文房具などの学用品を購入できず学校に通えなくなる子どもたちが多いことから、それらの無償支給により就学を継続するための支援を行なっている。フィリピンでは、暴力から子どもたちを守るための保護者への啓発などにも力を入れている。子どもの栄養不足が課題となっているスリランカでは、家庭菜園を作ることで食生活の改善を支援してきた。
他にも、子ども(特に女の子)の地位向上に関する啓蒙(けいもう)活動や防災教育など、チャイルド・ファンド・ジャパンが支援する分野は多岐にわたる。
これらの支援活動の資金は、企業や個人からの寄付で賄われている。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、個人の支援者向けの参加型プログラムとして「スポンサーシップ・プログラム」を提供している。「このプログラムの特徴は、支援者が1対1で支援地域の子どもとつながれることです。手紙のやりとりや成長記録などを通じて、自分の寄付が子どもたちの成長に役に立っていると実感できます」と藤井さん。寄付金はひと月当たり数千円程度。これまでに延べ200人以上の杉並区民がこのプログラムに参加したそうだ。
杉並区との協業による支援活動も継続的に行なっている。「杉並区民の手でネパールの子どもたちに教育を!」と題したキャンペーンは、2010(平成22)年から例年12月から2月ごろに開催されており、2025(令和7)年で16回目となる。家庭で不要になった書き損じはがきや未使用の切手、古本、DVDなどの寄付により、ネパールの子どもたちの教育支援を行う活動だ。寄付で集まった物品を活用して得た支援金で、校舎の建設や耐震化工事などを行ってきた。支援を受けた学校では、杉並区との支援の証しとしてなみすけのイラスト付きの記念パネルが飾られている。
「私たちのビジョン"すべての子どもに開かれた未来を"にある通り、生まれた環境によって子どもたちの可能性が閉ざされることのないような世界を実現したい」と藤井さんは語る。「それから、今後はもっと杉並区の皆さんと一緒に活動できる機会を増やしたいと考えています。ゆくゆくは、区民が参加できるイベントなども開催してみたいですね」
支援というとハードルが高いと感じるかもしれないが、不用品の寄付など気軽に参加できる活動もある。一人一人ができることから始めてみてはいかがだろうか。