中瀬天祖神社

講中が代々にわたり大切に手入れをしている子宝神社

井荻駅から徒歩約10分、妙正寺公園近くの坂の上にあるのが中瀬天祖神社(なかせてんそじんじゃ)だ。「御自由にお入りのうえ参拝下さい」、「すがすがしい早朝参拝のすすめ」など、手書きの看板が目に留まる。こじんまりとした境内は中瀬天祖神社と、境内社である中瀬稲荷神社の講中(※1)によって整えられている。
創建年代は不明。近くの妙正寺が「十羅刹堂(※2)」として当社を建てたとされる。やがて明治維新後に天祖神社と改称し、井草八幡宮の境外社となったそうだ。
氏子制作の碑に「奇妙な御神体」と紹介されている男根状の黒い石がある。この石は子宝の神として崇められており、次のような言い伝えが残る。「昔、腹痛を起こした人が妙正寺にかつぎこまれ、和尚の祈祷ですぐに治った。和尚は、男の手車に乗せてあった人の頭ほどの重石を見て、“この男根状の石が当地に納まりたいから腹痛を起こさせたのだろう”と、十羅刹堂に石を安置した。数十年後、納めたはずの石が坂道で見つかり、馬で運ぼうとしたが馬が動けなくなった。村人の1人が、“石が以前よりも大きくなっていきいきとしている。この石と十羅刹さまは子授けの神だ”と言い、再び堂に戻した。」黒い石は現在井草八幡宮に納められており、例大祭の御開帳時にのみ拝観できる。
昭和20年頃までの例祭日に、社前で講中が持ち寄った米で餅つきをし、「舌べろ餅」と呼ばれる丸餅にして参拝者に配る慣わしがあった。神社がU字型の舌状台地の上にあるからだ。近年、例大祭の日にこの餅が再現され、氏子に振る舞われている。

※1 講中(こうじゅう):信仰者の集まり

※2 十羅刹堂(じゅうらせつどう):10人の羅刹という神様を祀(まつ)っている建物。羅刹は元は人を喰う悪魔だったが、後に法華経の守護神となった

御祭神
天照大神(あまてらすおおみかみ)
市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)
保食神(うけもちのかみ)

主な行事 ※日付は毎年固定
1月1日 初詣
2月節分 節分祭
10月15日 例大祭
11月15日 七五三

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>寺社>井草八幡宮

鳥居から本殿を臨む

鳥居から本殿を臨む

「舌べろ餅」を食べると子が授かると言われ、遠方からの参拝客もあった

「舌べろ餅」を食べると子が授かると言われ、遠方からの参拝客もあった

境内社の中瀬稲荷神社

境内社の中瀬稲荷神社

御利益の1つとして「子宝」と記された氏子手作りの看板

御利益の1つとして「子宝」と記された氏子手作りの看板

2018年秋の例大祭

10月15日(月)
午前餅つき。14時例大祭
花太鼓(雨天中止)、花の出店あり
電話:03-3396-1046

DATA

  • 住所:杉並区清水3-19-10
  • 電話:03-3399-8133(井草八幡宮)
  • 最寄駅: 井荻(西武新宿線) 
  • 取材:おおつちさとべえ
  • 撮影:おおつちさとべえ
  • 掲載日:2015年09月28日