南荻窪天祖神社

かがり火が焚(た)かれる中で神楽を観賞

呼び方がたくさんある神社である。「南荻窪天祖神社(みなみおぎくぼてんそじんじゃ)」以外に、「神明(しんめい)天祖神社」、「神明神社」、「荻窪八幡攝社(せっしゃ)天祖神社」、「荻窪天祖神社」とも呼ばれているが、地元の人には「神明さま」という愛称で通っている。
西荻窪駅から徒歩で約11分。荻窪と西荻窪の中間地点を南に300mほど、神明中学校の近くに位置する。
創建は明らかではないが、社伝よると1584年に検地を行った際、既に小さい社があったという。その後、伊賀(三重県)の農民が移り住み、社を設けて「伊勢大明神」としてあがめた。
10月15日の例祭での神楽は観覧自由。2005(平成17)年から少しずつでも賑わっていけばと始まったが、今では用意する70~80脚の椅子が満席になる。かがり火を焚いた厳かな雰囲気の中での里神楽(※1)は素晴らしいとの評判で、立ち見も出るようになった。
本務社である荻窪八幡神社の禰宜(※2)も兼務している宮司の小俣文弘さんは、「お参りされる方は、縁があってここへ来たのです。すっきりして帰っていただきたい。」と語る。日々の清掃を心がけているという境内には、美しい箒(ほうき)の掃き目があった。

※1 里神楽:宮廷で行われる御神楽 (みかぐら) に対し、民間で演じられる神楽の称。演者は、面、装束を付け、無言劇を演じる
※2 禰宜(ねぎ):神主の下、祝(はふり)の上に位する神職

石碑に彫られているのは「荻窪八幡攝社天祖神社」の文字

石碑に彫られているのは「荻窪八幡攝社天祖神社」の文字

近づくと麒麟(きりん)の口から水が出る手水舎(てみずや)

近づくと麒麟(きりん)の口から水が出る手水舎(てみずや)

御祭神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)

主な行事 ※日付は毎年固定
1月1日 歳旦祭
2月初午 初午祭
10月14日 祭囃子
10月15日 例祭 
11月23日 新穀感謝祭

第二鳥居から本殿を望む

第二鳥居から本殿を望む

葉の形がまるで金魚のよう。 社務所前にある金魚椿(きんぎょつばき)は3月に赤い花が咲く

葉の形がまるで金魚のよう。 社務所前にある金魚椿(きんぎょつばき)は3月に赤い花が咲く

2023年秋の例大祭

10月13日(金)、14日(土)
13日 夕刻 神楽殿で子供囃子、子供琴演奏
14日 15時 例大祭神事式
    未定 神楽殿で神楽(舞)披露
甘酒配布、かがり火神楽はなし。露店あり
電話:非掲載

DATA

  • 住所:杉並区南荻窪2-37-22
  • 最寄駅: 荻窪(東京メトロ丸ノ内線)  荻窪(JR中央線/総武線)  西荻窪(JR中央線/総武線) 
  • 取材:おおつちさとべえ
  • 撮影:おおつちさとべえ
  • 掲載日:2015年08月24日
  • 情報更新日:2023年08月25日

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(西荻窪駅)

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