文豪ストレイドッグス

原作:朝霧カフカ (KADOKAWA)

孤児院を追われ横浜にたどり着いた青年・中島敦は、自殺しそびれて川から流れてきた太宰治を救出。それが縁で太宰の所属する異能力集団「武装探偵社」の手伝いに誘われる。世間を騒がす「人食い虎」騒動を解決したあと、正式に探偵社の一員となった中島は、芥川龍之介率いるポートマフィアとの戦いに巻き込まれていく。
おすすめポイント
文豪と同名のイケメンキャラクターたちが登場し、10代20代の「文豪女子」を中心に人気を博すアクション漫画。杉並ゆかりの太宰治と与謝野晶子も主要キャラとして活躍する。自殺マニアでとぼけた雰囲気の太宰は、実は元マフィアの幹部という意外な過去を持つ。与謝野晶子は武装探偵社の専属医で、男尊女卑を嫌う美女として描かれている。実際の文豪を彷彿とさせる人物設定と、各々が使う異能力名に「人間失格」「君死給勿」など代表作品名が付けられているところがユニーク。
原作者インタビュー
●太宰治と与謝野晶子を登場させた理由は? ⇒ 「日本を代表する文豪であり、誰もが作品名や人物像を挙げることができる魅力的な人物です。太宰治の内省的で人間というものを見透かしたような人格、与謝野晶子の強い正義感と女性の時代を切り開こうとする聡明さをキャラクターに反映させています。」
●杉並の文豪で今後登場させてみたい人物は? ⇒ 「是非に!とまでは決めていませんが、太宰と関係の深い井伏鱒二、キャラクターが異彩を放つ(笑)小林多喜二は機会があれば出してみたいと思っています。」
●杉並の魅力について ⇒ 「杉並は文豪ゆかりの地を多く残す、文化的に恵まれた土地です。他の土地で生まれ育った私からすると大変羨ましく感じます。『文豪ストレイドッグス』をきっかけに、文豪のかつてを感じる杉並の土地を散策するのも良いかもしれません。」
●杉並の方々におすすめの本は? ⇒ 「本作でも活躍している国木田独歩の『武蔵野』は、胸を締め付けられるほど牧歌的なかつての武蔵野が目の前に広がるように感じられる一冊です。林の中の描写がとても美しく、武蔵野で読むとさらに趣深いのではないでしょうか。」
(C)朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA

DATA

  • 取材:西永福丸
  • 掲載日:2014年07月07日