1Q84

著:村上春樹  (新潮社)

2009(平成21)年5月から2010(平成22)年4月にかけて新潮社より出版された村上春樹の長編小説。BOOK1、BOOK2、BOOK3からなる3部作。1984(昭和59)年の東京が舞台で、予備校数学教師であり小説家の卵の男性と、スポーツインストラクターであり殺し屋の女性の2人が主人公。それぞれのストーリーが交互に描かれるが、現実とは違う1Q84年の世界の中で除々に交錯していく。ミステリー、ファンタジー、SF、ラブストーリーと、どのジャンルも感じさせる。愛、性、宗教、暴力、善悪、光と影など様々なテーマの物語。音楽や自身の過去作品引用など暗喩や仕掛けが多くあり、読み重ねるごとに新たな発見がある。数十ヶ国語に翻訳され、世界中で読まれている。韓国の大学図書館では2011(平成23)年上半期の貸出数1位となった。
おすすめポイント
主人公の男性・天吾が住んでいるのが杉並区高円寺。もう一人の主人公の女性・青豆が住む自由が丘と対照的に描かれている。BOOK1で荻窪駅が登場。BOOK2から登場する高円寺の児童公園は重要な舞台である。ここは文脈より高円寺中央公園と推測される。他にも高円寺駅周辺の小さなレストラン、居酒屋、6階建てマンション、中型スーパーなど、あれこれ想像をめぐらすことができる。小説の世界をより堪能するのであれば、ぜひ月の明るい夜に高円寺中央公園の滑り台に登って空を眺めたい。

DATA

  • 取材:里村芙有子
  • 掲載日:2011年10月06日
  • 再取材日:2016年04月05日