護身術

いざという時の心構えを携えて(日子流体術)

「日子流(ひこりゅう)体術」は自分の身を危険から守る、場合によっては生死にかかわるシーンを想定した「実戦的」な武術である。柔術や護身術を土台とし、刀法・棒術・短刀術などを含んだ日本の古武道をルーツとしている。
指導する田中光四郎先生は、いわば「戦いのプロ」。2014年に発売されたDVD『日子流体術 白刃捕り』には、刃物を持った暴漢への対処方として「六寸」と呼ばれる短刀を使って稽古をする、田中先生の気迫あふれる技が収められている。かつてはアフガンなどの戦地に赴いたこともあり、「アフガンのサムライ」と呼ばれ、世界中で武器を持った相手から身を守る技を実践、指導してきた。戦う相手は軍隊であったり、要人を狙う暴漢だったり、正に命がけ。「昔の日本人は、侍はもちろん農民でも短刀を携えていました。自分から攻撃はしないが、いざという時は自らや家族を守るという心構えを持って生きることが大切です。」以前は弟子をとっていたが、今は東高円寺道場などで一般入門者にも稽古指導を行なっている。大切な日本の文化を知って欲しいという思いと、物騒な昨今、自らの身を守るために役立ててもらいたいという思いからだ。
指導は女性でもコツをつかめば比較的短期間に習得できる技からスタート。あえて相手に密着し、体の角度を少し変えることでできる隙間を利用して気道を確保したり、相手の手を取り反動で肘を打ち出す等の技は、腕力がそれほどなくても繰り出せる。稽古を数回受けただけの女性Yさんも、平均より大きな男性に技を決めていた。「夜道を歩いている時も背後に対する感覚がとても鋭くなりました」とYさん。田中先生が「ただし」と諭す。「自分からわざわざ危険な所に行くことは避けなければならない。基本は夜に出歩かないこと。背後に怪しい人影が迫ったらまず逃げる事です。」始終笑顔で穏やかに語る先生は、女性にはさらに優しく、これが生死をかけて戦ってきた方かと思うほどであった。
(写真上:田中光四郎先生 写真中:指導を受けるYさん 写真下:先生とスタッフ、生徒のみなさん)

護身術を体験してみたい!身につけたい!
▼東高円寺道場の伊丹裕さんへお電話で確認のうえ見学や体験に参加してみよう!
電話:3315-6950
※見学希望者は火曜日、木曜日の19:00~。動きやすい服装で。体験は無料です。入会時は入会金15,000円(DVDや書籍の特典付)と月謝4,000円が必要。

子どもたちの自主性を重んじる (道志塾)

杉並区の教育委員を務めている大橋辰雄さんの指導のもと、週二回、小学校の体育館などを利用して稽古をつづけている空手の塾が、この道志塾。下は小学生から、上は68歳のお年寄りまで多数の参加者がいるが、ここでは年齢は関係ない。子どもも大人も同列に扱い、帯の色によってのみ上下関係が形成され、練習でもそれによってグループ分けがなされる。そのため、10歳の子が年配の方に指導するといった光景も珍しくない。
最近、子どもを叱れない親が増えてきており、子どもと大人の境目がはっきりしなくなってきた、と大橋さんは危惧している。そこで道志塾では、参加者の自主性を重んじ、「自分に責任を持つ」ことを第一に掲げた。自分の行動が、周囲にどのような影響を及ぼすのかを肌で感じられる環境が大切だというのだ。空手は、組み手を行なえば、少なからず痛みを伴う。それを共有するからこそ、相手を思いやる気持ちが生まれてくる。その理念は実を結び、今では子どもたちが率先して準備運動にとりかかり、二人一組で行なう柔軟運動も「オッス(押忍)、お願いします」と頭を下げることからはじまる。
強い弱いには重点を置いていないため、参加者は体力増進を目的としている人から、純粋に技術を磨きたいと考える人まで様々。目指すところが各々異なっていながらも、互いを尊重することができるのは、上級者を敬う気持ちが自然と身についているためなのだろう。憧れの人に追いつきたいという思いから、年4回開催される昇級審査を目標に、自然と稽古にも熱が入る。
参加者は、随時募集中。道着は各自用意する必要はあるが、月謝は3,000円と低額なため、気軽にはじめることができる。

空手をはじめたい!教室に通いたい!
▼代表者の大橋辰夫さんへお電話で確認のうえ見学や体験に参加してみよう!
電話:3393-0336/携帯:090-3426-0392

子どもたちの健全な育成を目指して 護身術(求心義塾)

求心義塾は、日本武道連盟に所属する古武術、空手の有段者ボランティアによって地域の親子や大人を対象にすぐに役立つ身近な護身術と、基本的な礼儀作法と武道の心得を指導している。教室はおもに荻窪体育館武道場でおこなっているが地域の要望によって、小学校、児童館、体育館などに出向き教室を開いている。
「護身術の基本は、いかに相手の動きを読み切るか。大きな大人を相手に小柄な子どもや女性が腕力で勝てる道理はない、そこで相手ならどう行動してくるか、という相手の思考と行動を読むことが重要になる。日頃から人を思いやり相手の立場になれる人は、万一の際も相手の行動が読める、そのために礼節も重んじる」と語るのは内藤師範代。十分な準備体操(ストレッチを中心におこなう)のあと、いくつかの護身術を指導。毎回大勢の見学者が訪れており、実際にランドセルをしょてもらい、子どもに伝授すべき状況と対処などをわかりやすくゆっくり教えてくれる。

護身術を体験したい!催しに指導しにきて欲しい!
▼窓口の内藤さんにご連絡ください。
080-6688-4607(日中のみ)

DATA

  • 取材:なかすぎとおる、手塚一郎、高円寺かよこ
  • 撮影:NPO法人TFF
  • 掲載日:2014年08月04日