【八幡山】

杉並区最南端の駅がある、幹線道路の交差する街

八幡山

八幡山

HACHIMANYAMA

甲州街道より環状8号線の高井戸陸橋を望む

京王線八幡山駅は、杉並区最南端の駅だ。住所は杉並区だが駅構内東側の一部が世田谷区に属する。各駅停車と快速が停車し、新宿まではおよそ20分。駅北側の高井戸陸橋付近には荻窪駅南口行きのバス停がある。
駅高架下の商業施設と駅前にスーパーマーケットがあり、商店街も充実。生活しやすいエリアだけに周辺には住宅街が広がり、都心へ向かう人が多い平日の朝は駅が混雑気味だ。
駅名の「八幡山」は、駅から約1km南に行った所にある八幡山八幡社が由来といわれている。杉並区側には長泉寺と医王寺がある。

駅前の通り

区境になる駅前の通り。左側が世田谷区、右側が杉並区

江戸時代に開拓された野菜の産地

杉並区の農地の面積は東京都23区内で5番目だ(2023年4月現在)。平坦な土地が多く、江戸時代に農業地として開拓された。明治の中頃から、豊多摩郡高井戸村周辺(現杉並区上高井戸・下高井戸など)では、高井戸節成(ふしなり)キュウリの栽培が始まり、昭和中頃まで名産地であった。

上高井戸には新鮮な地場野菜の直売所がいくつかある。江戸時代から続く細渕農園では、育てた夏ミカンやハッサクを使用した「すぎなみ生まれの夏みかんマーマレード」と「すぎなみ生まれの八朔ジャム」を製造している。

高井戸節成キュウリ

京王線が見える広い農園で育った夏ミカンとハッサクが使われている

例年夏に「早朝ラジオ体操の集い」を催す元気な商店街

駅から約200m北の甲州街道にかけて、区境をまたいで商店街が広がる。

八幡山商福会商店街振興組合

杉並区を中心に、70軒ほどの店や企業などが並び、1976(昭和51)年に起業したプラスチックリサイクルの情報商社、株式会社パナ・ケミカルの本社もある。例年夏に催される「早朝ラジオ体操の集い」は、多い日で1日400名が集う大イベント。商店街独自の祭り「わっしょい!!八幡山」も、地元に根差した祭りとして人気だ。

※杉並区内の商店街情報は杉並区商店会連合会サイトへ

株式会社パナ・ケミカル社屋外観

【豆知識】

ファミリーマートの区内初出店は八幡山

コンビニエンスストア「ファミリーマート」が杉並区内に最初に出店したのは、1979(昭和54)年5月3日。甲州街道沿いにあった「ファミリーマート八幡山店」だ。現在は閉店して別店舗になっている。

DATA

八幡山・年齢別人口

年齢別人口

八幡山・産業の事業所数

産業の事業所数

  • 取材:おおつち さとべえ
  • 撮影:おおつちさとべえ、小泉ステファニー、西永福丸
  • 写真提供:株式会社パナ・ケミカル
  • 掲載日:2024年2月5日