旬菜ままや

杉並区のヘルシーメニューに認定された「10品目の豚しゃぶサラダ」(850円)

杉並区のヘルシーメニューに認定された「10品目の豚しゃぶサラダ」(850円)

朝8時から自転車で農家に野菜を買いに行く

富士見ヶ丘駅北口から徒歩約1分。富士見ヶ丘通りを北に向かうと左手に「旬菜ままや」がある。旬の採れたて野菜がたっぷり味わえる家庭料理と酒の店だ。店内は明るく、木のぬくもりを感じるカウンター席とテーブル席があり、ゆっくりとくつろげる。
店主の中尾さんは、朝から杉並区内の農家数軒を回り、採れたて野菜の仕入れから一日をスタート。注文の料理を手際よく調理しながら、客が楽しそうに食べている様子を見るのが好きだという。「地域の人も多く来てくれて、特に家族の記念日に地元の店を選んでくれるのがうれしいですね」

地元の朝採れ野菜の甘みを楽しみたい

地元の朝採れ野菜の甘みを楽しみたい

スタッフと連携し、料理を作る中尾さん。アットホームな雰囲気が心地よい

スタッフと連携し、料理を作る中尾さん。アットホームな雰囲気が心地よい

「ままや」オープンのきっかけ

中尾さんは高円寺で生まれ育ち、大学を卒業後、出版社に就職。編集者として忙しく過ごす傍ら、貸し農園で野菜作りを楽しんだ。「料理を作るのも、食べ歩きや飲み歩きをするのも好き。評判がいい店に行っては、味を覚えて帰りましたね」。人をもてなすことも好きで、2000(平成12)年ごろから、小料理屋を開く夢を持つようになった。
会社を退職した2020(令和2)年に転機が訪れる。地元で立ち寄った農家で、採れたてのトマトのおいしさに感動。野菜は作り手によって味が違うのでは、と思い「ふれあい農業すぎなみ 農産物直販マップ」(※1)に紹介されている全農家で野菜を購入し、その確信を得た。
「旬の野菜のうまみを地元の人にもっと伝えたい。新鮮な地元野菜を使った小料理屋を開くなら今かもしれない!」と決意。大好きな作家の向田邦子が経営していた小料理屋「ままや」(※2)を参考にし、2022(令和4)年3月3日に同じ店名で店をオープンさせた。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 産業・商業>杉並の農業
杉並区>農産物直販マップ(外部リンク)

「蒸し茄子の冷製」(450円)は口の中でとろけるように甘みが広がる

「蒸し茄子の冷製」(450円)は口の中でとろけるように甘みが広がる

カウンター席は、アフリカンチェリーの一枚板を使い、重厚感を持たせている

カウンター席は、アフリカンチェリーの一枚板を使い、重厚感を持たせている

おすすめメニュー

お薦めは、地元野菜を使った「今週のメニュー」。中尾さんが考えた、農家ごとの野菜の良さを引き出す料理が並ぶ。採れたて野菜のうまみを味わえるように、調味料は最小限使用。酒のつまみにもちょうど良い。
肉や魚料理も人気だ。「10品目の豚しゃぶサラダとご飯セット」は、杉並区健康づくり応援店のヘルシーメニューに認定されている。豚肉は、ゆでた後冷やさずにアツアツのまま野菜に乗せることで、しっとりとした食感を味わえるという。「秋鮭と野菜の包み蒸し」(860円)にはキノコも入り、包みを開けるとバターしょうゆのいい香りが漂う。
飲み物は、日本酒とワインが充実。季節ごとの日本酒が楽しめ、9月の取材時には「紀土純米吟醸ひやおろし」(グラス540円 )が並んでいた。ワインは、東京都あきる野市のワイナリー「株式会社ヴィンヤード多摩」のもの。ワイン造りを通した地域貢献活動に賛同し、応援しているのだという。

▼関連情報
杉並区>ヘルシーメニュー店沿線検索>井の頭線(外部リンク)
株式会社ヴィンヤード多摩(外部リンク)

創業当初からの人気メニュー「でっかい鶏唐揚げ」(900円)は2種類のタレが選べる

創業当初からの人気メニュー「でっかい鶏唐揚げ」(900円)は2種類のタレが選べる

東京都産のワインを飲めるのも楽しみの一つ。左から、赤、スパークリング、白

東京都産のワインを飲めるのも楽しみの一つ。左から、赤、スパークリング、白

「京王井の頭線沿線の住みたい街NO.1」にしたい

中尾さんは、店をオープンしてから、商店街活性化の一助になりたいと思ってきたと語る。「街をにぎやかにするために、富士見ヶ丘通りをパリのシャンゼリゼ通りのようにしたいですね。富士見ヶ丘には、農産物を直販する農家が集まっているので、新鮮な地元野菜が食べられるのが何よりの特長です。雨の日に野菜が売れ残らないような工夫や農家の手助けもしていきたい。神田川と遊歩道、都立高井戸公園もあって自然が豊かなので、子育てするにも良い環境だと思います」

※1 「ふれあい農業すぎなみ 農産物直販マップ」:杉並区が発行している、対面、自動販売機などで直販を行っている区内農家を掲載したマップ

※2 1978(昭和53)年に実妹・和子と赤坂に開店、1998(平成10)年に閉店

「自家製わらび餅(本わらび粉入り)」(350円)は旅先で出合った味を再現

「自家製わらび餅(本わらび粉入り)」(350円)は旅先で出合った味を再現

和の趣のある店構え。明るく広々とした店内は家族連れにも人気

和の趣のある店構え。明るく広々とした店内は家族連れにも人気

DATA

  • 住所:杉並区久我山5-21-16里山ハウス富士見ヶ丘1F
  • 電話:03-6780-6164
  • 最寄駅: 富士見ヶ丘(京王井の頭線) 
  • 営業時間:17:00-21:00
  • 休業:日曜・月曜
  • 補足:ラストオーダー:食事20:30、飲み物20:45
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://mamaya.owst.jp/
  • 取材:前田祐希
  • 撮影:前田祐希
    取材日:2023年09月11日
  • 掲載日:2023年11月27日