杉並区立馬橋児童遊園

阿佐谷の遊具があるエリア。2021(令和3)年末に公園標示杭が新しくなった

阿佐谷の遊具があるエリア。2021(令和3)年末に公園標示杭が新しくなった

今では珍しくなった道に遊具のある光景

1964(昭和39)年3月30日開園。現在の阿佐谷南1丁目から高円寺南3丁目にかけての暗渠(※1)に、4カ所に分かれて整備された。児童遊園(※2)の名がつく通り、開園当時は、不足していた児童の遊び場所として、ブランコ、滑り台、グローブジャングル、砂場がいくつも設置されていた。その後、他の公園が次々開園して遊び場所も増え、遊具の安全基準整備を機に老朽化した遊具は順次撤去されて、阿佐谷南1丁目にブランコ2基のみが残る。
阿佐谷パールセンターにつながるこの道は、かつて流れていた天保新堀用水(※3)を埋め立てて作られた。1966(昭和41)年の「杉並新聞」には、「区内には最近、馬橋の下水埋め立てあとの児童遊園地や(中略)あちこちに上下水道埋立て地を利用した公園、児童遊園地の建設が目立っており(後略)」とあり、当時、遊び場所確保のため、水路の埋立て地が活用されていたことがわかる。
現在、園内のほとんどは児童遊園というより生活通路として活用されているが、道の真ん中に遊具がある珍しさからか、撮影などで使用されることもある。また、年々数が減る貴重な金太郎の車止めも2個残っていて、マニアには人気の場所だ。
なお、馬橋児童遊園は、2009(平成21)年に区が策定した「阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画」において、将来、緑道・避難路としての整備が計画されている。その前に、散策がてら失われつつある昭和の風景を楽しんでみてはいかがだろうか。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 歴史>記録に残したい歴史>智慧と技術の結集!天保の水普請 新堀用水
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並のキャラクター>金太郎(車止め)

道の真ん中にブランコがある懐かしい雰囲気

道の真ん中にブランコがある懐かしい雰囲気

緩やかなカーブを描くアート遊具「おおなみこなみ」

緩やかなカーブを描くアート遊具「おおなみこなみ」

馬橋児童遊園案内図(提供:都市整備部みどり公園課)

馬橋児童遊園案内図(提供:都市整備部みどり公園課)

利用者便利情報(取材時現在)

広さ:1711.08㎡
駐車場:なし
駐輪場:なし
ベンチ:1台
水遊び場:なし
ボール遊び場:なし
犬連れ:不可
トイレ:なし
バリアフリートイレ:なし
売店:なし
飲料自販機:なし
管理事務所:なし
防災設備:なし

※1 暗渠(あんきょ):河川や用水路を埋め立てて地下化し、見えなくしたもの

※2 児童遊園:昭和24年度から、児童の心身の健全な発達、および交通事故の防止をはかるために整備されてきた小規模公園

※3 天保新堀用水:1841(天保12)年に完成した、馬橋、高円寺、中野三ケ村用の水田灌漑用水。善福寺川から取水した水が桃園川まで流れていた

車の乗り入れを防ぐ金太郎の車止め。赤い枠の金太郎は珍しい

車の乗り入れを防ぐ金太郎の車止め。赤い枠の金太郎は珍しい

「まりなげはやめましょう」という注意書きに歴史を感じる

「まりなげはやめましょう」という注意書きに歴史を感じる

DATA

  • 住所:杉並区阿佐谷南1丁目13番33号
  • 最寄駅: 南阿佐ケ谷(東京メトロ丸ノ内線) 
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/kouen/01/asagayaminami/1007063.html
  • 出典・参考文献:

    「杉並区広報第53号」(杉並区役所)
    「杉並区広報第310号」(杉並区役所)
    「杉並新聞第1413号」(杉並新聞社)
    「杉並区勢概要昭和26年版」(杉並区役所)
    「杉並区例規集・要綱集」 https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/jorei/1012987.html
    「児童遊園公園指導員だより ぶらんこNO.8」(杉並区児童遊園公園指導員連絡協議会)
    「阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくりニュース第27号」(杉並区都市整備部市街地整備課)

  • 取材:RYO
  • 撮影:RYO
    取材日:2022年01月12日
  • 掲載日:2022年03月07日
  • 情報更新日:2024年03月21日