2017(平成29)年に第1回が開催されたBATA ART EXHIBITION(バタ・アート・エクシビション)は、阿佐谷南エリアを中心とした地域密着型のストリートアート展だ。阿佐谷には染物店、刀剣店、仏師、植木職人など、日本の伝統文化「和」に関わる商店やクリエイターが今も存在しており、「和文化」をテーマにしたアートを街のあちこちで発信しようと考えたのが開催のきっかけ。民家の軒先、車庫、空き店舗、ホテルの植え込み、釣り堀の一角など、地元住民や商店街の協力もあり、展示場所もユニークだ。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「東京2020 公認プログラム」としてもスタートしたが、2020(令和2)年のコロナ禍により運営方針は大きく変わった。展示部門はインターネット上に「スギナミ・ウェブ・ミュージアム」を開館し、CGで制作したデジタルアートを開催した。また夏休みの子供たちに人気のものづくりワークショップを強化し、多くの親子が訪れにぎわいを見せた。
2021(令和3)年以降も、いくつかの展示と夏休みのワークショップで構成される複合型のアートイベントとして運営する。
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スギナミ・ウェブ・ミュージアム(外部リンク)
Q:「BATA ART EXHIBITION」の発端は?
A:杉並区には、2015(平成27)年から「すぎなみ戦略的アートプロジェクト」という、地域のアーティスト、クリエイター、アートファン、まちなかギャラリー(なりわいだけでなく商店の一角などをギャラリーとして登録する仕組み)が連携するネットワークがあります。メンバー同士でグループ展を開催したり、アートグッズなどを企画・製作したりしていますが、その方々が中心となり、東京2020大会に向けて杉並の文化を盛り上げていこうと実施することにしました。
Q:イベント名の由来は?
A:「“七夕”に阿佐谷“川端”通り商店街の“道端”でアートを楽しむ」というように、3つの「バタ」が重なりましたので「BATA」としました。
Q:開催時期は?
A:2年後の7月24日には東京2020大会が開催されますので、今後も7月下旬から8月上旬に開催予定です。阿佐谷の代表的な長寿イベント「阿佐谷七夕まつり」とも日程が一部重なりますので、JR阿佐ケ谷駅と東京メトロ南阿佐ヶ谷駅の間を南北に、往きは「BATA ART EXHIBITION」のストリートアート、復路は「阿佐谷七夕まつり」と、両方を楽しむのもおすすめです。
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Q:見どころは?
A:美術館やギャラリーではない街の日常空間の中に、作家達がどのようにアートを展示するのかがポイントです。2018(平成30)年は、全12会場のうち7会場がライトアップされるので、美しいアートの写真撮影にもチャレンジしていただきたいです。屋外では、街や会場に調和した作品展示を心がけていますが、安全性や耐久性への配慮など目に見えない苦労もあります。
また、2017(平成29)年に学生サポーターとして関わってくれた阿佐ヶ谷美術専門学校の学生チームが、2018(平成30)年からは展示制作を担当することになり、活動の広がりも感じます。近隣小学校の児童が作った作品も展示されますので、もう何年かすればきっと街のイベントとして定着するのではないでしょうか。
Q:今後について
A:毎年多くのみなさまに楽しんでいただけるよう、常に新しい作品の展示を目指します。課題は、コスト面を含めどのように運営していくかです。今後はイベントグッズの販売なども検討していきたいと考えています。
スタードームライトアップを屋内で開催します。
開催期間:2021(令和3)年11月23日(火・祝)
会場:高架下空き倉庫(杉並区阿佐谷南2-36)