スタジオ地図

会社概要

所在地:杉並区
創業:2011年4月創業
会社が手がけてきた作品
「おおかみこどもの雨と雪」(映画)、「バケモノの子」(映画)

インタビュー

世界で最も小さな映画制作スタジオ「スタジオ地図」のプロデューサーで代表取締役の齋藤優一郎さんに話をうかがった。

なぜ杉並にスタジオを構えたのか
日本のアニメーションの源流として、よく挙げられる3社があります。1つは日本で最初に長編アニメーション映画を制作した東映動画(現東映アニメーション)、そして漫画家・手塚治虫が立ち上げた虫プロダクション、同じく漫画家・吉田竜夫が立ち上げた竜の子プロダクション(現タツノコプロ)。それらが大泉学園、富士見台、国分寺(現在は三鷹)にあったことから、JR中央線や西武新宿線、西武池袋線沿線には、昔からアニメーターやアニメーション制作スタジオが数多く存在するという歴史的背景と文脈があります。また、アニメーションは、アニメーターだけでなく、撮影や背景美術、仕上げ、CGなど、数多くの才能と人手を必要とする総合芸術のため、沿線にはその職人たちと制作スタジオが集中しています。アニメーション界は、全体が「1つの仲間」であり、「みんなで作っている」という意識と協力関係のもと、人と人とのつながりで成り立っている世界なんです。そのような中央線沿線の杉並に、私たちは小さな映画作りの拠点を作ることにしました。

仕事内容
スタジオ地図は、映画監督・細田守の制作拠点であり、アニメーションという表現で映画を作る、世界で最も小さな映画制作スタジオです。映画を作る動機は常に自分たちの中にあり、誰に与えられるものでもありません。だからこそ、監督と私は既存のスタジオではなく、自分たちの制作拠点を求めました。細田監督は常に子供と大人が一緒に楽しめるアニメーション映画の可能性にチャレンジをして、「時をかける少女」や「サマーウォーズ」など、多くの作品を作ってきました。スタジオ地図としては、「おおかみこどもの雨と雪」が第1回企画・制作作品です。2015(平成27)年には「バケモノの子」を世界49の国と地域に配給しました。

制作ポリシー
細田監督と私の映画に対する考え方は「時をかける少女」の頃から変わっていません。映画は一度失敗したら二度と作るチャンスが得られない世界であると思っています。だからこそ、私たちは常に新しいモチーフやテーマ、そして表現にチャレンジし、公共の利益にかなう映画を作るべきだと思っています。変容する社会の中で生きていく子供たちの未来を励まし、肯定してあげられるような面白い映画を作ることに全力を傾け続けたいと思っています。スタジオ地図とは、常に新しい可能性に対して、新しいチャレンジをし、新しい価値を生み出す映画(地図)を描いていきたいという、細田監督の映画哲学が込められた場所なのです。

今後チャレンジしたいこと
細田監督は、「自分の家族の中で起こっている問題や喜びは、世界中のどの家族の中でも起こっており、だからこそ自分の家族の問題を解決することができれば、世界の家族の問題をも解決することができるのではないか。それをアニメーションという表現で映画にし、世界中の人たちと共有したい」と思っている作家です。特に細田監督が描きたいものは、家族というモチーフを使って、子供の成長を祝福し、励まし、この世界が生きるに値する世界だと言ってあげられるような作品です。これからも私たちは、一本一本、背筋を正して、子供と大人が一緒に楽しめるアニメーション映画の王道にチャレンジし続けていきたいと思っています。

区民の皆さん、読者の皆さんへ一言
最初にも言いましたが、杉並区には世界に誇れる物作り、新しい価値を生み出してきた歴史と文脈があります。そして、新しい個性とチャレンジ精神を持って物作りを続けている「人」が多く活躍しています。それは世界が注目する歴史であり、才能であり、これからの社会と子供たちの未来を豊かにできる「人」が集う場所なのです。その地で、今も映画を作れることを心から光栄に思います。これからも、どうぞよろしくお願いします。

少年とバケモノの相互成長と新しい家族の形を描いた「バケモノの子」

少年とバケモノの相互成長と新しい家族の形を描いた「バケモノの子」

社員数10名ほどの社内の様子

社員数10名ほどの社内の様子

細田守監督作品「時をかける少女」からプロデュースをしている齋藤優一郎さん

細田守監督作品「時をかける少女」からプロデュースをしている齋藤優一郎さん

DATA

  • 公式ホームページ:http://www.studio-chizu.jp/
  • 取材:坂田
  • 撮影:坂田 写真提供:スタジオ地図
  • 掲載日:2016年10月03日