釜寺(東運寺)

お寺の屋根に未確認飛行物体!?

方南町駅から徒歩5分、環状七号線添いに「釜寺(かまでら)」というバス停がある。釜?はて?どんなお寺かと訪ねてみると、本堂の上に黒く輝く怪しい物体(写真上)…UFO!?
釜寺は1573年、備前(現在の岡山県)の高僧一安上人により「念仏堂」の名で建立された。本尊は一安上人が備前から持ち運んだ「身代わり地蔵菩薩」で、森鴎外の小説でも有名な「安寿姫と厨子王丸」にまつわるものだという。なんと、全国各地に伝わると聞く「安寿と厨子王伝説」が、ここ杉並にも残っていたのだ!
この「身代わり地蔵菩薩」は安寿姫と厨子王丸が大切にしていた守り本尊で、厨子王丸が山椒太夫に釜茹でにされそうになった時には、僧侶に姿を変え助けたという、霊験あらたかな地蔵菩薩なのである。
伝説にちなみ、本堂の屋根にはUFOならぬ「釜」が鎮座している(写真下)。斬新すぎる光景は評判となり、江戸時代には「釜寺」として有名に。1922年には入谷の東運寺と合併し「東運寺(とううんじ)」となるが、今も「釜寺」の名で親しまれている。
毎年4月8日の花まつりには本尊がご開帳されるので、伝説を感じてみてはいかがだろう。

DATA

  • 住所:杉並区方南2-5-4
  • 最寄駅: 方南町(東京メトロ丸ノ内線) 
  • 取材:坂田
  • 掲載日:2014年01月27日
  • 情報更新日:2020年01月29日