紙でできることというと何を思い浮かべるだろうか。西荻ペーパートライは、紙の持つ可能性を追求し続けているシェアスペース(※1)だ。場所は西荻窪駅北口から徒歩約5分のところにある。2016(平成28)年の活動開始以来、デザイナーや雑貨クリエイター、小学校の図工教師など所属するメンバーらが、週末を中心に、紙に関する実験やイベントを行っている。
「営利目的で活動してきたわけではないので、サークル活動に近いですね。でも紙に対するプロの技術を持ったメンバーが在籍してるので、“より質の高いサークル活動”といったところでしょうか」とデザイナーの工藤さんは話す。今までの活動内容は、紙を扱う商社の社員を招きトークイベントを開催したり、封筒や水引を使った体験イベントや、紙で仮想の街を創り出す親子向けワークショップなどを実施。また、2018(平成30)年には、紙好きが集まる一大イベントとして知られる「紙博」(※2)にも出展し、デザイナーとコーヒーに詳しいメンバーが開発に3ヶ月を要したという「ペーパーコーヒードリッパー」作りを披露、コアな来場者の興味を引いた。
今後の目標について、事務局の小松さんは「紙による商品の企画開発を進めていくとともに、紙を楽しむことについて、より多くの人と分かち合う機会を設けたい 」と言う。その思いは地元西荻窪にも向けられているようだ。「もっと地元の人やお店とコラボをしていきたい。この地域には、それを実現するのに十分な土壌がありますから」。西荻ペーパートライの活動は、真新しいノートのページをめくる時のように、新鮮な興奮に満ちている。
※1 シェアスペース:事務所などを複数の人間で共有しつつ、各人が独立した仕事や打ち合わせを行うことができる空間
※2 紙博:「手紙社」が主催する、紙もの雑貨販売やワークショップなどを実施する紙の博覧会
http://kamihaku.jp/2018_summer/