トールペインター

MIKKOさん

生活用品に絵を描いて楽しむトールペイントの工房MIKKOを浜田山に開いて16年。
日本ではややマイナーなトールペイントだが、意外にも歴史は古く、17世紀ドイツではすでに専門の職人さんが存在。トールペイントは、日本の漆作品を真似たものとか、修道士が生活の手段として始めたなど諸説ありますが、今では世界中で楽しまれている伝承芸術です。かつてドイツのミュンヘンで出会った地元の女性から、ドイツでは花嫁修業のひとつとしてトールペイントを習う習慣があるという話を聞き、トールペイントとは本来そのように地域に根ざして受け継がれていくものだと私は思っています。
以前、高井戸地域区民センターに勤めていた友人のすすめで、公募による講習会をしました。それがきっかけとなり、高井戸区民センターのお祭りで何度か子ども向けのイベントを行いました。かまぼこ板を使用してキーラックやネームプレートを制作したり、空き瓶に子どもたちがそれぞれに好きなキャラクターを描くなど簡単な内容でしたが、子どもはもちろん、お孫さんにプレゼントとしたいと大人の方にも喜んでいただきました。
このときの子どもたちの笑顔を見て、今までトールペイントを続けてきて良かったと心から思いました。写真のチェストは、スイスの花を描いたものですが、いつか、杉並の花と鳥でペイントした家具を作りたいと思っています。杉並に根ざすトールペイントを作り上げることが、私の課題であり夢です。

DATA

  • 取材:MIKKO
  • 掲載日:2011年11月27日