 |
| 『シェイクスピアの戯曲を"能"の手法で現代に蘇らせる鬼才演出家』 |
 |
| 一番記憶に残っているのは、役者が、自分(演出家)の思う通りの役を演じきれないときにどうするか、という質問に対するお答えである。演出上絶対にそういうことがあるのは避けて通れないことだし、大きな問題だと思った。
彼は、自分の思う通りでなくても、その人の思う演技でいいと言われた。
それに人間は自分をころころ変えることができない、変わりたくないのが本質だとも言われた。この答えには驚かされたが、やはりよく考えてみると、役者だってそれなりに、「自分のあの人の人物像」というものがあるし、それは変わらないかもしれない。
やはり演出家はある程度役者を許さなければいけない。そういうことも今回学んだ。 |
 |
 |
「ク・ナウカで夢幻能なオセロー」パンフレット
|
 |
僕は今まで、演出はそんなに難しいことではない、苦労することでもないと思い続けてきたが、今回のインタビューで、演出家はストレスもたまり、疲れる仕事、さらには苦労をして、それでも完璧に自分の望むとおりには行かないということがよくわかった。このインタビューを通じ、新たに演出への興味が深まった。
初めてだっただけに納得できるような質問はできなかったが、とても勉強になった。劇についての疑問なども晴れ、このストーリーをまた新たな眼で見ることができた。一つ一つのせりふに意味があるということは、我々自身の、人生一秒一秒に意味があるということによく似ている。演出は人生を作るような風にも考えた。人生を作る、それは劇を作る上で一番大事なことかもしれない。そういう意味でも、劇の中で演出家は、舞台の上では見えなくても、見なければいけない存在かもしれない。
このインタビューを元に僕は今後、劇を見るときのせりふ一つ一つを、人生の一秒と同じくらいに真剣に考えたい。 |
 |
|
1ページ目 | 2ページ目 | 3ページ目 | 4ページ目 |
 |