すぎなみ学倶楽部 特設コンテンツ
ぼくたち、私たちが聞いた すぎなみ人 とっておき物語
えらんでね
仕事 私が「この道」を選んだ理由
転機:私の生き方を変えた、あの時
世界:世界へ視野を広げると見えてくるもの
人生:今の私につながる、ちょっと苦い思い出
社会:人とつながる、地域に生きることの意味
歴史:遠い昔の杉並のお話
特別編・杉並第五小学校 インタビュー名人になろう
全インタビュー一覧
『70歳現役の扇職人はアイデアとハイテクで勝負する』
 扇を作る道具は少ないから職人自身の技術がないと作るのが難しいしたくさん作れない。 お中元とお歳暮用などの扇を安く提供するには機械で作るのがいいと考えて、扇に折り目をつける機械などを作って特許をとった。自分が特許をとって安い価格で扇を提供すると 同業者(扇職人)は困るかもしれないと初めは恐れたが、いずれは他の人が同じような考えで特許をとる人が出てくると思うことにした。 田舎から出てきて一人で生きて行くには自分の得意の技術力を発揮するしかない。 親方が自分に教えてくれた「生きて行くコツ」と考え、恩返しですと割り切ったと言っていました。
4.扇づくりのこと
 内田さん自身は「職人」というより自分を「技術者」だと思っている。だから、職人ならやらないことをやる。 例えば、スキャナーなどを駆使して、扇の図柄(デザイン)を3000強、パソコンに入力して管理している。 絵師が描いた手描きの原稿(絵・デザイン)を使って40本とか50本の扇を作るという仕事がくる。昔からのやり方なら木版印刷などを利用するから百万単位の仕事になる。 しかし、40〜50本程度の扇を作るのにそんなにお金はかけられない。踊りなどに使う扇は、鑑賞するためのものではなく、使い捨てになるものだから、いわば消耗品と考えた。使う人もあまりお金を扇にかけることはできない。そこで原稿をスキャナーで取り込み、プリンターで印刷するという方法でやると、安く作ることができる。 こんなことをしたので、芸事の中心地の浅草から離れた杉並区に移っても注文に困ることはなかった。

パソコンも内田さんの大事な道具の一つ、既に3000を越す扇の図柄がパソコンの中に入っている。


 もう一つ、内田さんの考えたことを紹介します。「扇の要」という言葉があるように、扇では要が重要で、これがないと扇にならない。自動車でいえばクラッチの役割をするものです。昔から要はクジラのヒゲを使ってきましたが、今では捕鯨禁止なので入手するのが困難だから真ちゅう製の要を使うようになった。でも、プロの踊りの人たちなどは真ちゅう製の要の扇は安っぽくて使いたくないという。 そこでクジラのヒゲの代わりに、釣り竿に使うグラスファイバーを利用してクジラのヒゲに似た要を作ることを思いついた。クジラのヒゲより強く、しかも人工のものなので虫がつかないというメリットがあるので大変喜ばれたとことでした。
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