●東京ごみ戦争を経て、未来を見つめる
 ▲資源の収集日の様子
1974(昭和四九)年11月、東京地方裁判所にて東京都と「杉並清掃工場建設反対期成同盟」の和解が成立。8年間に及ぶ話し合いの中で、建設計画から還元施設の内容に至るまで、積極的に区民が工場運営に参加する仕組みを和解条項に盛り込んだ。清掃工場は公害に十分配慮した設計にし、廃熱を利用した温水プールや集会室を持つ高井戸区民センターも併設。現在でも住民に情報の開示を行ない、地域に開放された工場としてシンボル的存在となっている。
苦労して建設された歴史ある清掃工場――。そこで燃やすごみ袋だからこそ、「黄色いごみ袋」は慎重に検討されたという経緯もある。
カラス対策以外にも2000(平成十二)年2月に策定され、その2年後に改定された「杉並区一般廃棄物処理基本計画」では、プラスチックなどの不燃ごみの積替えを行なっている杉並中継所を2012(平成二十四)年までに不要にできるよう、ごみの減量を行なうといった強い方針を打ち出した。とりわけプラスチックのリサイクルには力を注いでおり、2006(平成十八)年4月からは、区内の3分の1の地域で、分別回収を行なう予定となっている。今一番の課題は、集めたプラスチック類を圧縮・梱包する場所や施設の不足だ。それさえ解決できれば、区内全域で実施したいと考えている。 |
●これからのごみ処理の行方
 ▲発売日当日に行なわれた黄色いごみ袋無料配布キャンペーン
「黄色いごみ袋」が2005(平成十七)年10月14日に販売されてから、早5ヶ月――区民の反応はどうなのだろうか。
「やっぱりちょっと高いですよね」 梅里2丁目町会長の濱田はもらす。45リットル(10枚入り)が260円、30リットル(10枚入り)が200円。通常のごみ袋にくらべれば確かにやや高めではある。しかし、カラス対策に効果があるならば、そんなにべらぼうに高い値段ではない。今後、使用する区民が増えていけば、コストダウンやサイズ展開も期待できる。 「お肉屋さんなどの飲食店は、使ってみて効果があると喜んでいます。また、集合住宅のオーナーなどは住人に配るか、冗談だとは思いますが契約条項に組み込みたいとまで言っていらっしゃる方も」
2005(平成十七)年12月からは、JR阿佐ヶ谷駅と西荻窪駅周辺で「夜間収集モデル事業」に代わり、「黄色いごみ袋モデル事業」がスタートしている。
 ▲杉並区役所1階にある「コミュかるショップ」でも黄色いごみ袋を販売している。
大分県臼杵市では、2005(平成十七)年3月1日からのゴミの有料化にともない、家庭ごみの収集で黄色いごみ袋を採用し、そちらの結果も良好のようだ。 「未来永劫続くような完璧なごみ対策というものがあれば一番いいけれども、そうじゃなかったとしてもそれはそれで仕方がない。また別の対策を区民のみなさんと一緒にかんがえていければいいと思っています」
さまざまな苦労の末、出来上がった「黄色いごみ袋」。一度使用してみて、これからのごみ対策についても、考えてみて欲しい。
(取材協力 梅里二丁目町会 町会長 濱田謙一、杉並区環境清掃部清掃管理課 野口眞奈美) |