●ごみ袋も時代の変化に合わせて
 ▲「散らカラーズ」の名称は、メーカーである三井化学ファブロ株式会社の社内募集によって決定した。300件以上の応募の中から、名古屋支店の女性社員の案が選ばれたのだという。
梅里2丁目町会の取り組みは、区長をはじめ関係者の心を揺さぶる。 「当初は、東京23区推奨のごみ袋の基準から外れているから、絶対に無理だと思いました」
第2回目の「黄色いごみ袋」の調査を梅里2丁目町会とともに担当した区の職員は話す。「でも、町会の方たちとお話をしていく中で、いままでのごみ袋の基準が、はたして本当に区民にとって必要で、役に立つ制限なのかと疑問を持つようになりました。『黄色いごみ袋』を使えない理由はないんじゃないかと……」
カラスよけに対する効果は、町会での実験によってある程度までは証明されたものの、広範囲にわたって長期的に継続性があるかどうかは、やってみなくてはわからない。でも、区民から積極的に働きかけがあったことに対して、効果があるかないかもわからない段階で入口をシャットアウトするのは良くない、杉並区のごみ袋にしたいと思うに至ったという。
東京23区清掃協議会での協議を繰り返し、そこで挙がった問題はメーカーの開発部門と調整し、再検討を行なった。しかし、新しいことを始めるときには、抵抗は避けられない。焼却した時の有害ガスの発生や有害重金属含有の有無など、東京23区推奨のごみ袋と同等の検査基準を満たし、まったく同じレベルでクリアしているにもかかわらず、特殊な色であるがために、必要以上とも思えるさまざまな検査とデータの開示を求められた。
「規制緩和がいいことだと断ずるのもいけないけれど、なぜこういう規制があるのか、どういう規制が区民にとって必要なのかということを、調べないというのが一番良くない。調べてみてどうなのかと。ごみ袋の色が青と緑が良くて、黄色がいけないという判断を行政がすることに、本当に意味があるのだろうか、いやそんなはずはない。そう思うに至って区長をはじめとして職員みんなで、何としても区民のみなさんが『黄色いごみ袋』を使えるようにしたいと取り組んできました」
2005(平成十七)年9月13日、「杉並区可燃ごみを収納する袋の特例認定に関する要綱」を制定し、「黄色いごみ袋」を杉並区の可燃ごみ収納袋として認定することが、ついに可能となる。 「『黄色いごみ袋』は、区民の人たちから提案をいただき、それを区役所が受けとめて、一緒に行動してきた証です」
同じ黄色とはいえ、最初の実験のころとは袋の色合いも若干変化している。何度もの改良を加え、現在販売されているカラス対策用可燃ごみ袋「散らカラーズ」が完成したのだ。 |