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メイドinスギナミ トップへ VOL.3 「アニメの社すぎなみ」構想 PDFデータ
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products 結晶

日本のアニメーションを見渡せる場所

2004(平成十七)年3月、荻窪と上井草駅を結ぶバス通りの中間あたりに「杉並アニメーションミュージアム」がオープン。もうすぐ1周年を迎える。

これまでも個々の作家の作品を展示する施設は数多くあった。だが、総合的に日本のアニメーションを紹介する施設は、現在、ここが唯一である。


●ミュージアムは、各団体との連携から生まれた

きっかけは、2002(平成十四)年4月、東京大学大学院教授 濱野保樹や日本動画協会委員、東京財団とともに開催した「杉並産学連携会議」だった。アニメーションが、産業的・文化的価値の高いものであることを再確認し、アニメーションアーカイブの必要性を「アニメーションアーカイブに関する提言」としてまとめ、国などに設置を要請。しかし、すぐには国での具体的な措置が難しいと判断し、翌年4月、「杉並アニメーションミュージアム」の前身となる「杉並アニメ資料館」をオープンした。広さは現在の「アニメライブラリー」部分のみ(約80u)と狭かったが、これまでのアニメーション制作に使われてきた機材などを常設展示した日本初の施設となる。開館記念には、プロダクションIGの協力を得て、同社が最後にセルアニメを公開した映画『人狼JIN-ROH』の企画展を行なった。

2003(平成十五)年7月、再び具体的な提言を求めて、「杉並区アニメーション振興戦略会議」を開催。前回よりもメンバーが増え、経済産業省の課長なども出席した。その中で「杉並アニメ資料館」の拡充が提言され、約1年間のリニューアル工事の後、「杉並アニメーションミュージアム」が完成。2006年3月に1周年を迎えるまでには、来館者5万人に到達する見込みだ。

受付で押せる記念スタンプ。館長の鈴木伸一がモデルとなったラーメンの小池さんがキャラクターになっている。
▲受付で押せる記念スタンプ。館長の鈴木伸一がモデルとなったラーメンの小池さんがキャラクターになっている。

現在、杉並区はミュージアムの運営を日本動画協会に委託している。同協会は、2002(平成十四)年1月に施行された中間法人法にもとづき設立。アニメーションの制作・販売等に関わる会社によって構成される有限責任中間法人であり、2006(平成十八)年2月現在、47社が加盟している。

優秀なコンテンツとして注目を集めている日本のアニメーション業界を代表して、行政との連携、各種イベントの開催、著作権保護活動、海外交流などを行なう。「杉並アニメーションミュージアム」は、杉並区内のみならず、日本のアニメーションを総合的に紹介していく施設だけに、各団体とのパートナーシップがなければ運営は成り立たない。賛同し、協力してくれている業界の期待に応えるべく、日々奮闘を続けている。

●見ているだけじゃつまらない、アニメは作るのが面白い

ミュージアムのパンフレッット
▲ミュージアムの
パンフレット

「館長を引き受けるときに、展示だけじゃなく、いつもなにかをやってなきゃダメだって言ったんです」

その言葉通り、「杉並アニメーションミュージアム」では常に新しい企画展やイベント、ワークショップが行なわれ、いつ行っても飽きることがない。簡単なアニメ制作を体験できるデジタルワークショップや参加型のしかけなど自由に遊べる設備があり、アニメシアターでは作家やプロダクションごとに特集を組み、ローテーションでアニメが上映されている。来館者は子どもが多いのかと思いきや、その2〜3倍も大人が訪れるという。

「『日本のアニメの歴史』のコーナーは、大人がじっくりと見ている。きっと自分の人生と重ね合わせて、時々で見たアニメを思い出しているのでしょう」

館長の鈴木伸一は、国内初のTVシリーズを制作したおとぎプロダクション(横山隆一主宰)に1956(昭和三一)年から勤務。アニメブーム以前から業界に携わるパイオニアであり、またかの有名な「漫画家の梁山泊」トキワ荘の住人でもあった。山口県で過ごした中学時代は、ディズニーの『白雪姫』(1950(昭和二五)年9月公開)に感動し、映写技師の見習いをしていた友人に頼み込んで、40回も同じ映画を観たという。
「ここは、短編や普段は見られないような貴重なアニメもライブラリーに揃っている。子どもたちにはたくさんのいい作品を見てもらって、いつか自分の作品を作って欲しい」

ゆくゆくの夢は、「杉並アニメーションミュージアム」製のアニメを作ること。手始めに、PRのためにもミュージアムのCMを作りたいという。

「プロだけじゃなく、アマチュアの人にもアニメを作る楽しさを体験してもらいたい。作り手が増えれば、ますます杉並区はアニメーション産業の集積地になっていくんじゃないかな」

ミュージアムには、いつでも撮影できるように、さまざまな機材やソフトが揃っており、簡単な企画書を見せてもらって問題がなければ、誰でも利用することができる。
「今後は、地方でしか上映されていないアニメをライブラリーに追加したり、ワークショップではアニメだけじゃなく絵葉書なども作ったりしていきたい」
まだまだ進化しつづける「杉並アニメーションミュージアム」。展示物を見終わったら、ぜひ手を動かしてアニメを作る面白さを味わってもらいたい。