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メイドinスギナミ トップへ VOL.2 「めざせ五つ星の区役所」運動 PDFデータ
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Philosophy 哲学

財政を立て直す――小さくて賢い区役所へ

バブル崩壊後、国をはじめとして、どの自治体や民間企業も緊迫した財政状態となっていった。杉並区も例外ではない。人口も1975(昭和五〇)年をピークに減少が続き、現在ほぼ横ばいとなっている。どう楽観的にみても、今後税収が右肩あがりで伸びるとは考えにくい。1999(平成十一)年、財政を含め、すべてにおいて杉並区は抜本的な見直しが必要となっていた。


●コストの削減が、サービスの低下にならないように

名札の裏に4ツ折りで入れている共通マニュアル。いつでも見直せるようにコンパクトにまとめてある。
▲名札の裏に4ツ折りで入れている共通マニュアル。いつでも見直せるようにコンパクトにまとめてある。

2002(平成十四)年度の取り組みで、待合席が増え、カウンターも低くなり、オープンな空間となった。
▲2002(平成十四)年度の取り組みで、待合席が増え、カウンターも低くなり、オープンな空間となった。

1999(平成十一)年4月、現山田区長が「職員を10年で1000人削減する」という選挙公約を掲げ、杉並区長に就任したが、その当時の杉並区は、経常収支比率が94・1%に達するなど財政の硬直化がすすみ、四苦八苦の状況が続いていた。2000(平成十二)年、財政危機の克服が急務とされるなか「行財政再建緊急プラン」に基づく行革を断行。同年、区民との協働、区役所の構造改革などを推進する「スマートすぎなみ計画(行財政改革大綱・行財政改革実施プラン)」を策定し、翌年度から具体的な取り組みがはじまった――。

当初は、「例外なく一気にやる」スピードの速い改革に反発や非難も多かった。だが、じっくりと議論や説得を行ない、行革を継続したことで「スマートすぎなみ計画」は成果をあげる。2003(平成十五)年度決算では、経常収支比率が83・0%と大幅に改善。選挙公約であった職員の削減も513名まで達成された。

しかし、財政再建をするからといって、安かろう悪かろうでは意味がない。事業も縮小ばかりでは、気持ちの硬直化にもつながる。区民へのサービスを低下させずに、財政のことも考えていこう、両立していこう。その思いから生まれたのが、「めざせ五つ星の区役所」運動だ。そして、職員一丸となり、今「五つ星の区役所」をつくろうとしている。

●常に職員が意識できるように、シンボル化する


▲区内各所に貼られている「めざせ五つ星の区役所」運動のポスター。
現在は水色だが、はじまった当時はクリーム色だった。

区役所を訪れると「めざします!五つ星の区役所」ポスターが、エレベーター横やカウンター下などいたる所で目に入る。掲示している目的は、区民に向けた宣伝ではなく、職員自らが「五つ星」を宣言していることを忘れないようにするためだ。
2004(平成十六)年度に行なわれた「おはようすぎなみキャンペーン」――新人を中心に声かけを積極的に推進する運動 に使われたシールも、各場所に多数貼られている。
理念や言葉だけでは徹底するのが難しい。だから、カタチにしていく。そこには、一致団結して「五つ星の区役所」にしていこうという信念があらわれている。

余談だが、さまざまなものを評価する際に「五つ星」は慣用句的に使われることが多い。そこで引き合いに出されるのが1900(明治三三)年に創刊されたフランスのホテルやレストランのガイドブック『レッド・ガイド(旧ミシュラン・ガイド)』だろう。
しかし、この本で星マーク(フランスでは、エトワールと呼ばれ、角が丸く花の形に近い)はレストランの料理に対する評価で、三つまでしかない。五つのマークが並ぶのは、ホテルを評価する「館(パピヨン)」とレストラン自体を評価する「フォーク&スプーン」だ。ホテルの最高評価は「五ツ館」で、なかでも快適なところは赤色で表示される。

偶然かもしれないが、「めざします!五つ星の区役所」ポスターは、五つ星のうち真ん中が赤色だ。こういったサービスが他の地域に浸透していっても、そのなかでもっとも快適な区役所であり続けて欲しい。