    
本コーナーに記載する原稿著作権利は制作者に帰属します。いかなる場合も複写、転用、流用は堅くお断り申し上げます。
本コーナーに関するお問い合わせは下記までお願いします。
すぎなみ地域大学事務局
杉並区成田東4-36-13
電話03-3312-2381
|
|
 |
| 第二回 三善里沙子さん |
「けやき通り」:
一般的には北口から伸びる中杉通りを指す
|
杉並区には、けっこう好きなものがある。まず、杉並という名前の響きがいい。○○区ほど、きばった感じがないし、□□区ほど、きどったふうでもない。かといってローカルでもなく、もちろんダサイわけではない。また、下町でもないし、山の手という感じでもない。
いわば中庸。今の時代これは貴重である。そして、そこはかとない、文化の香りが漂う、東京の住宅地・・・・・・。これみよがしではない、このなにげなさのポイントは高い。
しかしそのわりには、商店街や飲み屋も充実するといった、隠れた実力者・杉並なのである。じつは、拙著『中央線の呪い』や『中央線なヒト』の中央線の中心とは、杉並区!
祖父の代から三代に渡っての杉並育ち。県民性が最近流行りだが、私のアイデンティティは、色濃く「杉並性」とでもいうものに彩られていると思う。そんな杉並には、好きです、と挙げられるものがたくさんある。
公園、喫茶店、各種の店、ユニークな人々、路地裏、アーケード、図書館、本屋、古本屋、飲み屋、神社、寺、いずれも、私の暮らしのコアの部分に関わる大事なもの?たちである。
だが、杉並区といえば東京二十三区内で、唯一、植物の名前がつく区。じっさい、緑も多いところも気に入っている。さらに、水というのも外せない。
だから、私は杉並区の商店街活性化プロジェクトでも、「なぜに商店街が蛍?」という反対の声を押して、「川をきれいにして蛍を養育する」久我山をトップに入れた。
阿佐ヶ谷の街で一番人気なのは、住民が誇るけやき並木だし、けやき屋敷といわれているI邸も、私の好きな木が屹立する緑陰地帯。春は桜、秋は紅葉の美しい善福寺公園は、西荻の駅から少し距離があるので、観光客が少ない。ここからひかれた水は、東京の水とは思えない美味しさだった。
井草のほうには、農業高校もあり、植木市も開かれ、花や野菜を育てる農地も残る。武蔵野につながる、二十三区最西端の杉並区。
そういえば西というのは、その昔から極楽があるところとされる約束の地、杉並は、極楽にも近い?
そんなわけで緑関係だけでも、「一番」を決めるのは至難の技なのだが、やっぱり街の研究家である私は、街と緑が見事に美しくマッチしたけやき並木の、通称「けやき通り」を一番にしたい。
阿佐ヶ谷駅北口から、早稲田通りに向かって伸びる「けやき通り」は、それこそすぎなみのコアが入ったディープな通りだ。
おいしい喫茶店やレストランが数軒、中央線的な飲み屋さんにバー、個性的なブティックや小物のショップ、花屋さんも何軒もある。
そして杉並のお約束の、古本屋さんにリサイクルショップ、骨董屋さん、さらに自然食の店。ある地元民は、「シャンゼリゼより美しい通り!」といって涙ぐむほどだ。
それは、ちょっと?にしても、この通りは、お洒落ではあるが、トレンディなんて浮ついたものを通り越して、かなり趣味がいいと思う。つまり消費主義に走らず、杉並が文化と教養のある住宅地ということを示し、しっかり杉並の実力をみせてくれているのである。
ある紅茶専門店主は、「この通りは好きでやっている人ばかりですから」と語り、店内でクラシックコンサートも開く。素晴らしい。その通り、ある花屋店主は、葉っぱなどで、アートな動物を作り、名高い。ほかにも、こだわりの特色ある店々は、寄ってみたいところばかりだ。
また、駅の南口から青梅街道に向かった、けやき並木は、夏は葉がトンネルのように生い繁り、本当に癒しを与えてくれる。このあたりのタクシーの運転手さんが、お勧めの並木通りもここ。
緑の杉並区、けやき通りから目が離せないが、杉並区は「杉並の地域の魅力を再発見し、発信する」という『すぎなみ学倶楽部』を立ち上げました。区民参加型のウェブサイトなので、参加してみてはいかが!
|