久我山稲荷神社

都内でも珍しい「湯立て神事」

創建年は不明。久我山駅から西へ徒歩で5分ほどの場所にあり、神社の敷地は周囲より少し高台になっている。
境内右手の「額堂付神楽殿」には、まげや着物姿の人々が神社で祈る姿や、鎧兜(よろいかぶと)を着た武将の姿などが描かれた絵馬が多数残っている。特に祈る姿が書かれた絵馬は、それぞれに衣裳や顔立ちが違い、奉納した当時の人々の様子がしのばれる。
また、境内には「人心同」と書かれた碑がある。これは、韓国の政治家、金玉均の手跡(筆跡)を、氏子が石に掘って1899(明治32)年に奉納したものである。金は1884(明治17)年に日本に亡命した際に、久我山生まれの「砂糖王」と呼ばれた飯田作右衛門と小笠原で出会った。そして、作右衛門の親を思う心に打たれて書いた言葉が、この「人心同(体は遠く離れていても心は同じ)」である。
7月の夏祭りでは、大釜に湯を沸かして行なう「湯立て神事」がある。久我山稲荷神社(くがやまいなりじんじゃ)では沸かした湯に笹をひたして打ち振り、「湯の花神楽」を奉納することで疫病の全治を願う。神楽の後は参詣者に丸餅が投げられる。このような「湯立て神事」を行う神社は都内でも今では珍しい。
当神社は兼務社(※)だが、御朱印は下高井戸八幡神社でいただける。

※兼務社:神職が常勤していない神社

神社自体が小高い山になっている

神社自体が小高い山になっている

本堂。右手に「人心同」の碑がある

本堂。右手に「人心同」の碑がある

御祭神
受持命(うけもちのみこと)

主な行事 ※日付は毎年固定
1月1日  元旦祭
1月15日  どんど焼き
2月上旬  初午、祈念祭
6月30日  大祓(おおはらい)
7月24日  夏祭り
10月上旬  例大祭
11月下旬  新嘗祭(にいなめさい)
12月31日  大祓

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>下高井戸八幡神社

御朱印(左)、額堂に飾られた色鮮やかな絵馬の数々(右)

御朱印(左)、額堂に飾られた色鮮やかな絵馬の数々(右)

湯立て神事の様子

湯立て神事の様子

2023年秋の例大祭

10月7日(土)、8日(日)
7日 10時 大祭式典
   10時半 宮神輿御霊入れ
   13時半 神輿渡御
8日 12時半 神輿渡御
   夕刻以降 宮入り後に御霊返し
   (神輿巡行については今後久我山稲荷神社HPに公開予定)
両日 18時半 奉納演芸(舞殿にて)、露店あり
電話:03-3333-7477

お正月の催し物(2023年12月-2024年1月版)

12月31日13時より大祓式が行われる。
元旦の0時、太鼓の音が鳴る中「新年明けましておめでとう!」と挨拶。御神輿の会より樽酒と甘酒、福豆がふるまわれる(なくなり次第終了)。
1月15日14時よりお飾りや旧年に使ったお札などを焚きあげる「お焚き上げ」が行われる。
※感染状況により予定変更の場合あり

DATA

  • 住所:杉並区久我山3-37-14
  • 電話:03-3329-0837(下高井戸八幡神社)
  • FAX:03-3302-1523(下高井戸八幡神社)
  • 最寄駅: 久我山(京王井の頭線) 
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://www.shimotakaido.org/kugayama/index.html
  • 取材:千田F子
  • 撮影:千田F子、前田祐希
  • 掲載日:2015年08月31日
  • 情報更新日:2023年12月15日

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