1960年代

53年「赤電話」が登場し、公衆電話が急速に増加

■53年「赤電話」が登場し、公衆電話が急速に増加。(株)保坂彫刻工業所(上荻)、赤電話に「公衆電話」の文字を彫刻。

(株)保坂彫刻工業所、赤電話の登場から60年代を通じて、受話器部分に「公衆電話」の文字を彫刻。この他にも彫刻技術は計測器の目盛の作成などに活用される。

■60年、アイビールックが流行し始めるタナカ産業(阿佐ヶ谷)、VANやJUNなどの紙袋を製造。

(株)タナカ産業(阿佐ヶ谷)はその他にも国内外のブランドのパッケージ製品を数多く手がける。

■61年、レジャーブーム。スターテング工業(株)(桃井)、60年にリコイルスターター(小型エンジン始動装置)の開発・製造・販売を開始。

67年、耕運機が55年の年間販売約8万台から300万台に急増。スターテング工業(株)、60年にリコイルスターター(小型エンジン始動装置)の開発・製造・販売を開始。モーターボート、スノーモービル、バギー等レジャー用、耕運機、草刈り機、チェーンソー、発電機等農林業・建設機械用に使用される。

62年、プラモデルブーム

■62年、プラモデルブームが始まる。(有)穂坂製作所(堀ノ内)、プラモデルの金型を製作。

(有)穂坂製作所、タミヤの『パンサー戦車』など、シリーズの金型を製作。プラスチックの普及により、模型玩具が木製からプラスチック製に変わる。

■64年、東京オリンピック開催。(株)丸高ラブリン(松ノ木)、貸しおしぼりサービスを強化。

オリンピックを契機に、外食産業が成長。食堂などでこれまで主流だった手ぬぐいに代わり、貸しおしぼりの需要が高まる。(株)丸高ラブリンは全国おしぼり協同組合連合会の初代会長として、おしぼりの衛生面の強化、普及に尽力してきた。

■65年、エレキギターブーム。東京サウンド(株)(高井戸東)、Guyatoneを発売。

東京サウンド(株)、日本初のオリジナルブランドGuyatoneを発売。66年のビートルズの来日とも合わせて、空前のブームに。ちなみに同社は日本初のエレキギターを作った会社である。

写真提供:TAMIYA

写真提供:TAMIYA

60年代、鉄鋼業が生産能力の拡大に力を注ぐ

■60年代、鉄鋼業が生産能力の拡大に力を注ぐ。(有)東京濾過工業所(高円寺)、オート・ストレーナー製造開始。

ストレーナーとは、製鉄所や浄水場などの工場において、異物を除去し、水をきれいに再利用するための機械。製鉄所には不可欠の製品である。

■60年代通じて機械加工技術、印刷技術が進歩。(株)大田計器製作所(成田東)の広告用温度計が人気。

50年代後半から60年代、(株)大田計器製作所(成田東)が製造した広告用温度計は、手づくりのガラス製板付きを丸型で大きく見やすい量産型のバイメタル式に変え、大手企業に多く用いられた。

■60年代、建物の鉄骨化が進む。

建物の高層化、木材の工法では作れなかったデザインの家が作れるようになったり、地震国であることや耐用年数の長さを求めたことから鉄骨化が進む。池田鉄工(株)(和泉)、窓ですりなど鉄の金物製作から鉄骨業に転身。同社は90年代に業界に先駆けて耐震補強工事に取り組む。

■住宅の新設着工戸数が急激に拡大し、木材需要も拡大。

高井戸運送(株)(下高井戸)、木材を三輪自動車で都内各地に運送。高井戸運送(株)、深川・木場に入ってくる木材を、三輪自動車で都内各地に運送。その後、車社会の到来と共に増加するガソリンスタンドの建材の運送が増加。

DATA

  • 掲載日:2008年03月31日