杉並なでしこ -集まれ、サッカー少女!-

選手層の厚さ、イコール、杉並区民のサッカー熱!

女子サッカーの小学生部門において、杉並区は都内一のチーム数を誇る。2013年度現在は9チーム。都内各市区の平均が3、4チームほどのところ、 3倍近い数となる。杉並区が属する公益財団法人東京都サッカー協会女子連盟少女部Dブロックの委員長、中木正司さんによると、「女子は家族や友達に誘われてサッカーを始めることが多い。選手の多さは保護者ネットワークの力だ」という。それだけサッカー好きの区民が多いということだろう。
浦和レッズレディースの和田奈央子選手など、すでになでしこリーグで活躍する区内出身の選手も出ている。そんな先輩なでしこを目指して練習に励む「杉並なでしこ」たちのチームを紹介する。

合言葉は「みんなでやろう」 高井戸東サッカークラブ エストレーガ

「ひとりのスター選手がひっぱるのではなく、みんなでボールを繋いでいくのがうちのサッカー。」そう語るのは1987年の設立当時から指導している伊ヶ崎朋生監督。小学4年生以上で17名(3年生以下は男子と合同練習)という、女子チームとしては安定した人数を誇る。個々の身体能力だけに頼らず、トラップしてドリブルして、みんなでパスを繋ぐ、足元の技術を重視したチーム作りを行っている。「みんなでやろう」の合言葉には「強い相手に委縮してしまうときこそ、ひとりじゃないと思って戦え!」との監督の思いも。
友達に誘われたり、サッカー好きのお父さんに連れられたりと、サッカーを始めたきっかけはさまざま。なんと、ダイエットのために2歳から始めた選手もいる。終始笑顔の彼女たちだが、「試合で監督に言われたことができない」と悔しがり、「ドリブルで人を抜いたり、点を決めたときが楽しい」とサッカーには一生懸命だ。「リフティング100回!」「レギュラーになる!」といった目標を掲げ、土日の練習に励んでいる。
○連絡先
メンバー随時募集。代表浅野さんまで。
メール:dmw.m-10.thsc.3557@ezweb.ne.j

全学年でつながろう! 富士見丘アンジェリーナ

「わたしは3年生だから、大変だけど1年生の面倒を見ないといけない。」そう頼もしく語るのは、ほのみちゃん。低学年(1~3年生)と高学年(4~6年生)に分かれて練習するため、3年生ながら最高学年として下級生に試合のアドバイスをしたりする。「学年をまたいで縦の繋がりができるように、日々の練習から全学年での合同合宿まで、上の子が下の子の面倒を見ることを大切にしている」と、副代表の佐藤貴美子さんは言う。
2000年に富士見丘少年蹴球団の女子チームとして発足したが、人数の増加に伴い、2010年に富士見丘アンジェリーナとして独立。それまではグラウンドの4分の1を使って練習していたが、全面を使えるようになった。メンバーは富士見丘小学校だけでなく、世田谷区や三鷹市からも広く集まる。2013年度は、関東ガールズエイト関東大会ベスト12になるなど、着々と結果を残しているチームだ。上級生が責任を持って下級生を教える、下級生はそんな上級生に憧れて練習をがんばる。これが成長の秘訣のようだ。
○連絡先 
メンバー随時募集。代表木村さんまで。
TEL:090-6188-4935 メール:fc-angelina@jcom.home.ne.jp

試合中も笑顔がこぼれる仲の良さ! FC高円寺

キックオフ前の円陣から、試合中の声掛けまで、とにかくよく笑うチームだ。キャプテンのバネッサちゃん(6年生)によると、「みんなのテンションを上げるために意識して笑ってる。できるだけマイナスなことは言わないようにしている」とのこと。足の速さを使った突破や、キック力を生かしたミドルシュートなど、個々のプレーが光る一方、仲の良い雰囲気も印象的だ。
「選手の声を尊重して、ポジションや戦術を決めている」と武藤喬行コーチ。その年度の選手の特性に合わせてチーム作りを行う。自由度が高いとかえってまとまるのが難しそうだが、練習試合を多く組んで経験を積ませることで、一体感が生まれてくるという。1988年から「杉四サッカークラブ」として杉並第四小学校の生徒を中心に活動を続けているが、2013年度に「FC高円寺」とチーム名を改めた。今後も、他校を含めた近隣のサッカー少女とともに益々の発展を目指す。
○連絡先
メンバー随時募集。担当明知さんまで。
電話:090-6505-7441 メール:marippejapan@gmail.com

DATA

  • 取材:廣畑七絵
  • 掲載日:2013年12月24日