写真家

オラン・トマさん

出身はフランスです。趣味の旅行で、20歳のときに日本を訪ねて気に入りました。日本の語学学校に留学し、就職も結婚も日本。奥さんも日本人です。
写真はいろんな形、考え方が表現できるという点で奥が深いです。使用しているカメラはハッセルブラッド。これは正方形に撮れます。ファインダーを覗いたとき、普通の35mmカメラと違った光景が見える。切り取られた小さい世界に、答えがいくつも見つかるような大きな世界が映るのです。フィルムを利用し最後は暗室で仕上げるプロセス、時間のかかる手作業も好きです。
作品のテーマは「自分の近所」。日本での撮影は、まず団地の様子からスタートし、子どもの自転車なども被写体にしました。何気ないところから話を思いつく作品が私の理想です。杉並の住宅街で撮影していると、よく「何を撮っているのですか?」と声をかけられました。私は人と話すことが好きなので、こんなふうに会話がうまれることを楽しんでいます。大都市とは違う、杉並の魅力ですね。
縁あって、地元東高円寺のパン屋「ふじみ」で作品展をやりました。蚕糸の森公園で撮影した魚や亀などの写真です。杉並であることを忘れるような作品を撮りたかったので、見に来たお客さんから「蚕糸の森公園に見えないわね」と言われて嬉しかったです。私は杉並を撮影しながら、日本そのものを表現していきたいのです。これからも地元を含めてどんどん写真展をやりたい。人物写真にもチャレンジしたいですね。
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DATA

  • 取材:オラン・トマ
  • 掲載日:2013年02月21日